2011年より音楽活動を休止しているシンガーソングライター・宇多田ヒカルが、8月20日放送の「まつもtoなかい」(フジテレビ系)に出演し、休止を決めた理由などについて語った。
宇多田といえば、15歳だった1998年にデビューシングル「Automatic/time will tell」がダブルミリオンを記録する大ヒットとなり、翌99年にリリースしたアルバム「First Love」も767万枚と歴代最高の売上枚数を記録。平成の歌謡界を牽引する歌姫として君臨していたが、2011年より活動を休止したことについて「ありがたいことなんですけど、無期限で休養させてもらって。いつまでかわからないけど、わかる時にはわかるから、というお休みをいただいて、まわりにも感謝してるんですけど」と期限を設けない休養だと話している。
また、休止の理由については、若くから芸能界入りしたことによる弊害があったといい「普通に暮らして、大人になりたいなって。自分の自信がない部分」「15歳から有名になっちゃって、全部周りがやってくれてる。大人になったら普通やること、(日常で必要な)能力を何も身に付けてなくて、それがだんだん自分が恥ずかしくなってきて。そういうことをやってみよう、得意じゃないことをやってみよう(と考えた)」などと説明した。
「15歳でデビューするや否や、すぐに芸能界の高額納税者ランキングで音楽部門1位となった宇多田は“普通の10代”の生活からはかけ離れた世界で生きてきたと回想しています。また、拠点をもともとの出身地であるニューヨークではなく、ロンドンにした理由も、『ニューヨークだと住むところもあるし、銀行口座もあるし、弁護士もいるし、何も特にすることがない』『全部セッティングされてる』と説明。そうした環境ではなく、全ての準備をゼロから独りで始めたかったとする宇多田の考えに対し、視聴者からはネット上で『一生遊んで暮らせるお金があるのにそんな風に悩めるのは素晴らしいと思う』『普通の人が出来るような事を出来ないのが恥ずかしいと思えるのは、感性が豊かな証拠』『自ら学ぼうとするところ尊敬する』などといった称賛が届いています」(テレビ誌ライター)
唯一無二の音楽の才能を発揮して多くの人から羨望の眼差しを向けられてきた宇多田だが、本人としては“当たり前の生活”を送ることへの強い想いがあったようだ。
(木村慎吾)