「ご冥福を心からお祈りしますけど、KANちゃん…あ~あ、残念。早く連絡すればよかった、失敗…」
時に苦悶の表情で頭を抱え、そして涙を滲ませ天に向かって手を合わせたタレントの山田邦子。「メッケル憩室がん」により11月12日に逝去したシンガーソングライターのKANさん(享年61)。訃報が知らされた17日にライブ配信した自身のYouTubeチャンネル「山田邦子 クニチャンネル」でのことだった。
フジテレビ系で放送された山田の冠バラエティ番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」(1989年10月‐92年3月)の人気絶頂時は、最高視聴率20.4%を記録。挿入歌に起用されたKANさんの「愛は勝つ」が累計売上201.2万枚の大ヒット。KANさんは一躍ブレイクを果たした。その番組の中で、元タレントの横山知枝と山田が結成した「やまだかつてないWink」が91年2月に2枚目のシングル「さよならだけどさよならじゃない」(作詞・山田、作曲・KAN)をリリースしている。
さらに山田は、こう悔やんだ。
「(今年の)10月31日、大阪、NHKでね、全国の生放送で、『さよならだけどさよならじゃない』を歌わせていただいたんですね。嬉しかった。時を経てね、フジテレビで作った歌だから、ましてやNHKで歌う時がくるなんてと思って。少し、その時によぎってね。KANちゃんに連絡しようかな。KANちゃんにピアノ弾いてもらったらいいだろうなって思ったんだけど。連絡ってさ、後回しにしちゃダメだね」。
芸能ライターが言う。
「山田は、KANさんがガンを患っていたことは知っていたそうです。 自身も2007年に乳がんが発覚。全摘出して現在に至っており、『治るものだと思っていた』と辛い心情を吐露していました」
KANさんの名曲の数々は、これからも歌い継がれていくに違いない。
(所ひで/YouTubeライター)