このところ社会問題化している「悪質ホスト問題」。一部のホストが女性客に「売掛金」としてツケ払いで高額の出費を強いることで、返済能力を超えた借金を背負わされる女性が貧困に陥るケースが多発している。
消費者庁が「売掛金の請求はデート商法にあたる可能性がある」と注意を呼びかけるほか、国会でも立憲民主党の塩村あやか参院議員が取り上げるなど、一刻も早い対策が求められている状況だ。
そんな中、行動を起こしたのが「ホスト界の帝王」と称される実業家でタレントのROLAND(ローランド)。
11月17日に自身のXを更新し「運営するホストクラブにおける売掛でのお支払いについて」と題した文章を公開。「この度、ローランドグループが運営するホストクラブの営業において、一切の売掛(ツケ払い)を禁止とさせていただきます」と発表した。
これまでは同氏の運営するグループでも、常連客に限り、売掛での支払いを容認していたものの、「一連の報道を重く受け止め、トラブルを未然に防ぐため、グループ全店舗で、一切の売掛を禁止させていただくという決定に至りました」とツケ払いの全面禁止に踏み切ったという。
このポストには8万を超えるいいねが寄せられ、称賛の声が寄せられているが、同業者からは猛反発が。
同日、Xに「正直ローランドくんにはガッカリ」と綴ったのはホストクラブ「NEW GENERATION GROUP」の創業者である桑田龍征氏。人気YouTubeチャンネル「令和の虎」に出演し「歌舞伎町ホスト界のウォルト・ディズニ―」の異名を持つ人物だ。
「業界全体で良くないと烙印押されてる状況でなぜこの決定をSNSで出せるのか」「あまりに他社にリスペクトのない行動ではないですか?」とローランドを厳しく批判した。
なぜ同業者の桑田氏はローランドに大ブーイングを浴びせたのか―。
「売掛金の問題に大きな危惧を抱いているのはどちらも同じです。桑田氏の後日のポストによると『ホスト業界全体が足並みを揃えて動く必要がある』と考えているとのこと。確かに桑田氏の指摘する通り、店舗や街が一律でルールを設けないと悪質ホストが根絶できないという見方はホスト業界全体に根強くある。今回のローランドの決断が英断であることは間違いありませんが、問題解決に向けた進め方の点で、桑田氏にとっては時期尚早だと感じたのではないでしょうか」(ホスト業界に詳しいジャーナリスト)
夜の街に変革が求められている。
(塚原真弓)