11月25日~27日に行われたフィギュアスケートGPシリーズのNHK杯で、羽生結弦選手が今季世界最高の301.47点で連覇を達成した。カナダ大会ではふるわなかったSPもFSも、ともに得点を大きくのばしての快挙だ。ケガから復帰してのこの活躍。大きな要因は「オーサーコーチとの信頼関係」にあるという。
「羽生選手はケガの治療のため練習のスタートが遅れ、また、新しい4回転ジャンプを取り入れたこともあり、ジャンプの練習を中心にしていたといいます。開幕直前までジャンプ中心の練習だった羽生選手に、オーサーコーチは滑らかな演技のためにスケーティング部分の練習もしたほうがよいとアドバイスしたそうなんですが、羽生選手はジャンプがきちんと跳べないとスケーティング部分に集中できないからと、練習法を変えなかったそうです」(スポーツライター)
しかしカナダ大会での2位という結果、そして滑りそのものに納得がいかなかったのか、その後、羽生選手はオーサーコーチと話し合い、練習方法を調整したという。
「オーサーコーチは選手の性格に合わせた指導をすることで有名です。いまや歴代最高得点を出して、自分なりの方法論にも自信を持っているであろう羽生選手には、自分の考えるとおりにやらせて、その後的確に必要な部分をアドバイスしていくという方法を取っているんでしょう。今回のNHK杯では、演技全体が滑らかになって楽曲との一体感も高まり、ジャンプの失敗も影響しない高得点が出せましたから、これはまさにオーサーの指導の賜物といえるのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)
オーサーのスケートクラブでは、滑らかなスケーティングに重きを置き、基本の滑りを羽生選手からまだ若い生徒までが一緒になって練習している。そんな丁寧な滑りこそが、羽生選手の加点の多い美しい演技、ひいては高得点につながっているのだ。
(芝公子)