2023-24シーズン限りでの現役引退を発表したフランクフルト所属の元日本代表MF長谷部誠について、代表OBの前園真聖が将来的な同クラブでの監督デビューに期待を寄せている。
2008年のヴォルフスブルク移籍でドイツ・ブンデスリーガの地に参戦し、ニュルンベルクを経て、14年よりフランクフルトへ加入した長谷部。19年には独「Kicker」誌が選ぶ年間のベストイレブンに名を連ねるなど、圧倒的な存在感を示し、40歳にしてついに引退を決めた。
4月21日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)では、長谷部の現役引退報道を紹介する中で、ドイツ語が堪能な長谷部が現地での指導者ライセンスも取得している点に着目。コメンテーターとして出演した前園が、「今シーズンで一応引退は表明したんですけど、22年の契約更新の時に、5年契約(延長)してるんです。ということは27年までは契約が残ってる」とし、38歳時点で5年の契約延長を打診されたことを「まずあり得ないんです」と語ったのだ。
そこに込められたフランクフルトの狙いについて、前園は「チームとしては仮にその間(22~27年)に引退したとしても、チームに残ってほしい。他のチームに行ったりしないでほしい(という思いがある)」と推察し、「おそらくですけど、このままチームに残って、指導者ライセンスを取っているので、フランクフルトの下部組織なのか、トップチームのコーチなのか。そういったところに、チームとしてはポジションを置いておきたい」と指導者への道を進む可能性をあげている。
「長谷部をめぐってはフランクフルト加入2シーズン目にして、当時のスポーツディレクターであるブルーノ・ヒュブナー氏が『彼にはスペシャルな価値があるので、引退後はこのクラブでのポジションを用意するつもりだ。彼は日本のベッケンバウアーのような存在だろう。引退後も長期的な視野で共に仕事をしていきたい』と、16年1月にタブロイド紙『Bild』のインタビューで、ドイツの名手フランツ・ベッケンバウアー氏の名前を出しながら絶賛し、当時から引退後のフロント入りを示唆していました。また、長谷部自身、17日の会見で『クラブからは非常に良い提案をもらっている』と話しており、3年の契約を残した上での引退はフランクフルトとの蜜月関係が今後も続いていくことを暗に示すものだと考えていいでしょう。これほどまでにドイツで信用を積み重ねた日本人は他に例がなく、改めて長谷部の人間性やアスリートとしての価値が証明されましたね」(スポーツライター)
番組MCのお笑い芸人・東野幸治は、長谷部のストイックな“マイルール”として、シーズン中にはアルコールを摂取せず、トレーニングの準備は前夜から始めることなどを紹介した。これを18歳から40歳に至るまで続けてきた長谷部は、間違いなく日本サッカー界に名を残すレジェンドプレーヤーといっても過言ではないだろう。
(木村慎吾)