携帯電話の電話帳に頼りっきりで、友人の電話番号を覚えていないというのは十年以上前からある話。だが最近の若者は、警察の電話番号すら覚えていないというのだから驚きだ。
最近話題になっているツイートは、iPhoneだけの通信速度が速くなる裏ワザと称して、1-1-0をダイヤルさせるというもの。言うまでもなく警察に繋がってしまう偽情報なのだが、何の疑いも持たずにダイヤルしてしまう若者が後を絶たないのだという。ネット事情に詳しいIT系ライターが解説する。
「この偽情報の元となったツイートは、エイプリルフールのネタだったようです。当時は時期も時期なのでダマされる人は少なかったのですが、その後に思い出したようにツイートが拡散され、信じてしまう人が増えているのです」
普通に考えれば引っかかるはずのなさそうな話だが、この手の偽情報は昔から後を絶たないのもまた事実。2000年代初頭には、大人向けコンテンツが聴けるという触れ込みで、高額な国際電話を掛けさせる詐欺も横行していた。
「たとえば“0-03-3248-xxxx”という電話番号は、本当はインド洋の某国に掛かる国際電話なのですが、03という数字を見て東京に掛かると勘違いしてしまうのです。その結果、電話会社から高額な国際電話料金を請求されてしまうんですね。もちろん悪いのは電話会社ではなく、某国側とグルになっているコンテンツ業者のほうです」(前出のIT系ライター)
こういった詐欺とは異なり、今回の偽情報はユーザー側に金銭的な被害は発生しないものの、警察の業務を妨害するのは間違いないところ。この手のツイートを見てもリツイートしたりせず、あくまでスルーするのが正しい姿勢だと言えるだろう。
(白根麻子)