放送中のドラマ「団地のふたり」(NHK BSおよびNHK BSプレミアム4K)で小林聡美とW主演している小泉今日子。ドラマチックに展開する内容ではなく、小泉と小林が演じる55歳の親友が織りなす「日常生活」が心に染みると評判になっている。
そのため小泉はNHKの番組に出演する機会が続いており、9月27日放送の「あさイチ」には「プレミアムトーク」コーナーに生出演。その10日前だった9月17日放送の「クロ現」こと「クローズアップ現代」にはVTR出演。どちらの番組でも、自身の年齢による身体や心の変化を飾らない言葉で明かし、ネット上で話題なっている。
特に自身が陥ったという「ミッドライフクライシス」について「クロ現」で語った内容が、じわじわと女性の間で注目されているようだ。「ミッドライフクライシス」とは、直訳すると「中年の危機」。40~60代の8割が襲われるという、身体や心の不調に悩むことを意味する言葉だ。
現在58歳の小泉は「両親も他界してますし、3人姉妹の一番上の姉も他界して『私の番の時どうしよう』みたいな、そんなふうにしてどんどん自覚していった感覚はあるかな。私の40代の時は、子どもを産むチャンスがもう限られてるって思った時はすごい悲しくなって。子どもを抱いた人とすれ違うのも、ちょっと“かすっと痛い”みたいな感覚で感じていた時があった」と当時を回顧。この中で特にネット上で議論されているのが、子どもを産むチャンスが限られていることを実感した時の心情だ。「ズキッ」でも「ヒリヒリ」でもなく「かすっと痛い」と表した小泉の表現力には、同じような思いを経験した人々から「その感じわかる!」と共感されている。
また、小泉のこの話を聞いて、2017年元日に放送され、現在もYouTubeで視聴できる「千原ジュニアのヘベレケ ジュニア妻乱入!? ヤフーもザワつく新年会SP」(東海テレビ)や、同年7月5日に「読売新聞オンライン」で公開された、いとうあさこが語っていた話を思い出した人も少なくないようだ。現在54歳のいとうは42~43歳の頃、「急に、本能なのかな。生まれて初めて『子どもが欲しい!』って大騒ぎしてた」ことがあり、そのことを知り合いの産婦人科の先生に話すと「それはDNAの最後の叫びです」と言われたという話だ。
前出の「千原ジュニアのヘベレケ」では、いとうのプライベートを知る高橋真麻が共演しており、高橋が「“子宮の叫び”があった時ありましたよね?」と、いとうに話を促したことがきっかけとなって話がスタート。いとうの直接的な発言ではないが「子宮の叫び」と覚えている人が多いようだ。
閉経が見えてきて、頑張ればまだ出産できる可能性がある頃に聴こえてくる「子宮の叫び」は、もっと早い30代で聴こえる人もいれば、まったく聴こえないまま60代を迎える人もいる。自分の周囲にも40代になった途端、結婚、出産ラッシュが訪れたので、そうした人々は「子宮の叫び」に従ったのかもしれない。
小泉は「クロ現」で、「痛みとかそういうのも自分に必要だったのかなと思える」と前向きな発言をしていたが、その当時は「本当に少し辛かった」とも。「あさイチ」では「老化は進化」と言い、40代は「未知の世界に踏み出していく入口だから怖いですよね」と番組に寄せられた40代視聴者の声に寄り添い、50代になると「カラダは少し、昔ほど走れないとかあるかもしれないけど、アタマとカラダがすごく仲よくなって。なんか、行動が矛盾しなくなっていくみたいな楽しさを、今、感じていますけど。感情とカラダとか、感情と考えとかがすごく仲よくなっていて、なんか『今がピークなんじゃないか?』っていう気がしたりします。ハイ」と笑顔でエールを贈っていた小泉。
当時46歳だったいとうも「読売新聞オンライン」に「30歳代は『スプラッシュマウンテン』ぐらいの勢いで毎日を送り、40歳代は『イッツ・ア・スモールワールド』みたいな感じでゆっくり楽しく暮らせばいいんじゃないかなと」話しているように、40代は戸惑うことがあっても焦らず、50代になったら今よりクリアになれると信じて、ゆったり暮らすと「なんか良さそう」だ。
(森山いま)