手料理よりお店で食べた方が絶対にいいでしょう~という料理の一つが「酢豚」。だって、豚肉に下ごしらえして、衣をまとわせて、揚げて、野菜切って、素揚げして、でもってタレ作って合わせて炒めて、といういくつもの工程が必要で時間も手間もかかるのに、食べたらあっという間。後片付けも、油やタレでギトギトになった鍋や皿を洗わなくちゃいけない。そこまでするより、近くの中華料理屋さんで食べた方がプロの味だし時間かからないし。そもそも、自宅で酢豚を作る人ってどれだけいるの?
そんな中、「コストコ」の冷蔵コーナーで見つけたのが「黒酢酢豚」です。200gの酢豚4袋入りで、箱には「かめ仕込みの有機玄米黒酢を使用。温めるだけで手軽に酢豚が楽しめます」と書かれています。作り方は袋のまま鍋で温めるだけ。あんな手間やこんな手間が省けて、しかもプロの味が食べられるってこと!? 製造者の欄を見ると、伊藤ハム米久フーズと書かれています。米久といえば、コストコではベーコンでもお馴染み。「これはイケる!」と思い、購入です。
箱を開けてみると透明な密封パックが4つあり、中には茶色いゴロゴロとした塊が。タレ、結構多めに入っている! 「これなら野菜を一緒に合わせても味がしっかり出そう~」と思い、キャベツやタマネギ、ピーマンをサッと炒め、鍋で温めた酢豚を軽く炒め合わせて完成。
もぉ、見た目は完全にお店の酢豚……だったんですが、この酢豚、とにかく甘い。酸味もあることはあるけれど、まとっているトロトロのタレが甘い! あと、タレと一緒に密封されているので、衣に“カリッと感”がゼロ。揚げたての豚肉と野菜を合わせたからこそ生まれる、ちょっとだけカリッと感が全くない、柔らか~いものになっています。当然、一緒に合わせた野菜も甘い。ご飯のおかずには「う〜ん……」という意外性あるものが完成してしまいました。
なので、酢豚は甘いのが強い方が好きとか、カリッとよりも柔らかいのが好き、という人にはとってもいい酢豚。しかし、ご飯と一緒に食べるには、醤油なり塩胡椒なり何かしょっぱいものを足すのがオススメといえそうです。味は濃厚でしっかりしているので、これだけでお酒のアテにするというのは全然アリなのかも。
たまたま今回のこのパックが甘さ強めだったの? それとも普段からこんなに甘いの?と質問したくなる、本格的だけれど甘さの効いた酢豚。手軽に酢豚を楽しめることは確実なので、まずは1袋開けて味を確認してから、このまま食べるか好みの味にアレンジするかを考えるのがよさそうです。
もしかして「酢豚の発祥の地、広東省ではこの味なのかも?」と一瞬考えてしまうほど、街の中華料理屋さんで味わう酢豚とは一味違った「黒酢酢豚」。酸味控えめ、甘い酢豚が好みの人にはかなりオススメな味ですよ。
(ロドリゴいしざわ)