テレビ局社員の女性にとって、宴席でのトラブルは常に隣り合わせの日々だとか―。大御所タレント・中居正広を巡る「9000万円“解決金”トラブル」を受け、かつて人気女子アナたちが嘆いていた“生け贄文化”の実態が一層の“生々しさ”を帯びて今、テレビ関係者の脳裏によぎっているという。
一連の報道を総合すると中居は23年6月、テレビ局幹部がセッティングした会食に参加するも、結果的に中居と芸能関係の女性の2人きりで食事をする流れに。そこで女性は中居から「意に沿わない性的行為」を受けたといい、中居の代理人も「双方の間でトラブルがあったことは事実」だと認め、解決金として9000万円ほどを支払ったとのこと。
かつて国民的アイドルグループ・SMAPでリーダーを任されていた“人格者”によるスキャンダルとあってテレビこそ報じないものの、多くのメディアで年をまたいで、様々に事態の推移が連日報じられている。が、そこでどうしても思い出されるのが、局の花形である女子アナが過去に暴露してきた、会食での“ハラスメント被害”。彼女たちの口ぶりでは、それほど珍しいことではない様子がうかがえるから驚きだ。
たとえば、元テレビ東京の看板アナで2017年に退社したフリーアナの大橋未歩は19年11月放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で、テレ東社員時代に上司から飲み会に半ば強制的に参加させられることが多かったといい、「局アナって、“生け贄”として差し出されるみたいな感じ」「ソリの合わない上司とかがいると、席順とか緊張する」などと暴露。
また、同番組の21年11月放送回でも、大橋は、職場の飲み会文化にまつわる話題で「サラリーマン時代は正直ツラいなぁ…って思ってましたね」「セクハラ、パワハラがあった時代なので…」とぶっちゃけ、共演者のマツコ・デラックスから「接待の席とか呼ばれるでしょ?」「可哀想!と思って見てた」と振られると、「そうなんですよ」「言葉は悪いですけど、本当に生け贄だと思ってた時期もありました」と語っている。
「さらに、より具体的な局の“狙い”を暴露した女子アナもいる。2020年2月までテレ東に在籍していたフリーアナの鷲見玲奈です。退社から半年後に出演した『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、テレ東時代の飲み会の多さについて言及。『上司からの誘いは断ってはいけないものだと思って、全部行ってたんです。週に7~8回くらい。最長で2週間連続ということもあって、肝臓を壊してしまって…』と、人気アナならではの悩みを漏らしていました。これにMCの明石家さんまは『美人アナは、スポンサーさんとかがよく“連れてきてくれ”とか言うよな。フジテレビさんのアナウンサーとかはよう聞くわ』と補足説明。鷲見はそうした慣習の背景として『野球選手って、よくアナウンサーと結婚するじゃないですか。それもスポーツ部のディレクターが、選手と仲良くなりたいがためにアナウンサーを(会食に)連れていくんですよ』と、ディレクターの出世に女子アナが利用されているとの実態を明かすと、さんまも『“ダメです”とか“イヤです”とか言えないもんなぁ』と同情していました」(テレビ誌ライター)
特に20年まで局アナだった鷲見の話から察するに、令和の時代になっても、各局の女性社員たちは様々な場面で“意に沿わない”接待を強いられることがあったようだ。
(木村慎吾)