「オープンでネット系(メディア)も入ると、不規則発言や彼女のプライバシーが侵害されるおそれもある」と、フジテレビが去る1月23日に開いた社員説明会で、17日の会見で動画の撮影や配信を認めなかった理由について釈明した、港浩一社長。ただ、そうした“クローズな記者会見”での発言自体が、被害女性の“素性”を想像させてしまうのでは…との疑問を抱いた。
というのも、17日の港浩一社長の記者会見で、中居正広(23日に芸能界引退表明)と芸能関係者の女性とのトラブルが発覚したきっかけを聞かれると、「女性の様子の変化に気づいた社員が声をかけ話を聞いたところ、当事者2人の間で起きた極めてセンシティブな領域の問題でした」と答え、すぐに公にしなかった理由を聞かれると、こうも答えたものだ。
「他者に知られずに仕事に復帰したいという女性の意思を尊重し、心身の回復とプライバシーの保護を最優先に対応してきた。極めて秘匿性の高い事案として判断していました」
要するに、フジテレビ社員が被害女性の話を聞いて会社のトップに報告し、さらに女性は、フジテレビとして、仕事の復帰のタイミングを調整できるかのような立場だとも言ってしまっているのだ。また、「もう少し寄り添うのであれば、彼女のことを思うと、足りていたのか足りていなかったのかを、すごく感じるということ」との一節も、当該女性との関係ついて、考えを巡らせてしまう。
さらにトラブル当時、フジテレビ専務だった関西テレビ・大多亮社長の会見(1月22日)では、「港(浩一)社長の指示は『彼女の心と健康を最優先にしなさい』だった」とも。
誤解を生じさせないようにするなら、一貫して、「被害女性」「当該女性」と呼ぶのが適切に思えるが、時折口にしてしまう「彼女は」「彼女が」という言い回しにも、女性との関係性を物語ってしまっているのでは…と突っ込みを入れたくなってしまった。
メディアではこれまで、被害女性については〈芸能関係者〉もしくは、〈(中居とのトラブル)当時女性は中居の仕事先である会社に勤務していた〉と記述。プライバシーには配慮しているが、1月27日午後4時から、オープンな形で開かれる「やりなおし会見」では、港会長らは、被害女性についてどういった表現を使うかも注目されよう。
(ロドリゴいしざわ)