Q:2歳5カ月の息子なのですが、自分の思い通りにならないと「キャー!」と、悲鳴のような叫び声をあげます。ショッピングセンターやスーパーマーケットなどでは、周囲の人がびっくりしてしまうほどの大声です。「イヤなことがあったら大きな声を出さないで、言葉で教えて」と言い聞かせていますが、まだ上手にしゃべれないせいか、叫んでしまう息子にどういう対応がいいのか悩んでいます。
A:なぜ、叫び声をあげるのか?まず、考えられるのは、何かを伝えたくて訴えている場合です。歩くのがイヤになった、買いたいお菓子がある、手をつながずに好きな場所に行きたいなどの場合、奇声を発してもママやパパが何も反応してくれないとわかると、ぐずり始めます。ぐずったとしても、そのまま放っておけばあきらめるので、心配はいりません。
ですが、自分の許容量以上の刺激を受けると、発作的に奇声を発する子供もいます。前者と違い、“ぐずる”という変化は見せず、ずっと同じことを何度も何度も繰り返します。この場合、このような状態になった状況を思い出してみましょう。
たとえば、初めて行ったスーパーマーケットや自宅以外の家。普段と違う道を通っただけで奇声を発するようであれば、発達障害の可能性も考えられます。定期健診の際、医師に相談をしてみてください。
ほとんどの子供は、自分の意思を伝えられるようになると、自然に奇声を発しなくなります。現段階では発達障害と決めつけず、子供がどのような場合に叫ぶのかを注意して観察してみましょう。
たとえば、何かが欲しくて「買ってほしい」という意味で叫んでいる子どもは、叫びながらもお母さんの顔をチラチラ見て反応を窺っているはずです。そんな時は、「キャーじゃわからないでしょう。どうしたいのかちゃんと教えて」と言えば叫ぶのを止めます。
ですが、お母さんの反応を見ているわけでもなく、話しかけてもただただ叫び続けるようならば、発達障害の可能性を考えましょう。
発達障害の場合、人の多く集まるところや普段の生活と違う場所など、環境の変化に対して順応することができません。また、急に大きな音がした、いきなり誰かがぶつかってきたなどの外的な刺激にもうまく対応できずに奇声を発します。
このような行動であれば、できるだけ早期に発達障害の専門家のアドバイスを受けることが必要です。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)