織田裕二、「迷惑をかけたくないから主役しかやらない」に見えた誤解されやすさと「シッコウ!!」の特別感
“織田裕二は傲慢でワガママ。性格が悪い”-。そんな過去の噂が生まれた原因は、もしかすると織田の「言葉選びと論理の展開方法」が勘違いされやすいからなのかもしれない。
8月31日放送の「日曜日の初耳学」(TBS系)に出演した織田は、1991年放送のメガヒットドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)で主人公・赤名リカ(鈴木保奈美)の相手役である「二番手」と呼ばれるポジションの「カンチ」こと永尾完治を演じた時に、「ここから先は主役しかやらない」と決意したと明かした。
その理由は、柴門ふみ氏の原作マンガを読んではいたが、ドラマは原作と展開が変更されていたそうだ。翌朝から撮影だというのに、深夜2~3時にやっと渡してもらえた台本は、急展開すぎて織田には理解できず、「固まってフリーズ」してしまったという。撮影現場でも「たった1行のセリフが言えない」状況に陥り、周囲に迷惑をかけたそうだ。そんな苦い経験から「二度とこんな思いは嫌だ。もうドラマの二番手をやりたくない。主役はこういうことが起きないだろう。だから、ここから先、主役しかやらない。というか、できない。迷惑をかけるから」と説明したのだが、言葉選びと論理の展開に、誤解されやすいことがよくわかった。
織田は「俺みたいなタイプは引き出しがない。普通の生活してきて大学生になって、この世界に飛び込んでから一度も(演技を)習ってない」と、自分の“弱み”も吐露していたから、織田の気持ちをわかりやすく翻訳するなら、「演技経験のなかった自分は、合唱でいえば主旋律しか歌えなくてハモリができない。だから周囲に迷惑をかけないために“主旋律を歌わせてください”と思ったんです」といった感じだろうか。
2023年7月期放送の伊藤沙莉主演「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日系)で「一番手」でも「二番手」でもなく「トメ」を演じた織田。養成所やワークショップに通う時間もないまま「一番手」として走り続けてきたことは、誰もが知っていることだから、織田も自分の演技に自信が持てるようになってきたのだろう。
演技は習うもんじゃない!現場で覚えていくもんなんだ!!
織田の中にいる「青島」なら、こう言ってくれるのではないだろうか。
(森山いま)
