【シバのおきて】演技達者な瀧内公美を素顔に戻してしまうほど魅力的な「柴犬・のこ」に視聴者もメロメロ!
「役者がどんなに頑張っても、動物と子どもには勝てない」
そんな言葉を耳にしたことはこれまでに何度もあったし、そんなことはないと感じた経験も何度もあった。しかし、9月30日にスタートしたドラマ「シバのおきて」(NHK)に関しては、柴犬の女の子「のこ」が演じる、柄本時生が声を担当している「福助」に誰も勝てていないと思う。
さらに9月27日放送の「土スタ」(NHK)に出演していた「シバのおきて」で夫婦を演じている主役の大東俊介と瀧内公美を見る限り、役者だけでなくスタッフや関係者に至るまで、誰もが「負けました」と笑顔で敗北宣言してくれるだろうと確信している。
片野ゆか氏のノンフィクション「平成犬バカ編集部」を原作にした今作は、パチンコ雑誌「パチンコ帝国」の編集長から、柴犬専門誌「シバONE」編集長になった相楽俊一(大東)をはじめとする登場人物たちが、「犬」によって心がほどけたり絆が生まれたりするストーリーだ。
「土スタ」に出演した大東は、自由奔放なところがある「のこ」が、自分たちの思っていた行動と違うことをすることがあり、それを映像で見た時に魅力的に感じたそうだ。しかし大東自身はお芝居をした時に、意図的に何かをしてしまっていると後悔することがたまにあるとのことで、「のこのように自由に、予想もしていない芝居でも魅力的に映るような俳優でありたい」と語っていたから、「のこに負けてるよ」と言ったところで、笑顔で「そうですね。負けてます」と返されてしまうことだろう。
「のこ」が演じる「福助」は、相楽家で暮らしている設定で、瀧内演じる俊一の妻・亜衣がお世話をすることが多く、亜衣は「福助」がどんな表情を見せても慣れているはずの設定だ。しかし第1話のあるシーンで、完全に「のこのインスタグラムをフォローして毎日見ているほどのこが大好きな瀧内公美」になってしまっている瞬間があるので、ぜひともその瞬間を見つけてほしい。瀧内の気持ちがよくわかるし、演出家がそれをスルーしたこともよくわかる。
「柴犬・のこ」に心を奪われない人とは、きっと会話が成立しないだろうなと、「シバのおきて」を何度も「NHK ONE」でリピート視聴しながらニヤニヤが止まらない。
(森山いま)
