【ちょっとだけエスパー】大泉洋“文太”も【ESCAPE】桜田ひより“結以”も「触れた人の心が読める」理由を考察
10月8日から始まっている桜田ひよりと佐野勇斗がW主演するドラマ「ESCAPE それは誘拐のはずだった」(日本テレビ系)をリアタイ視聴しているのだが、それより遅れて始まった、10月21日に初回を迎えた大泉洋主演ドラマ「ちょっとだけエスパー」(テレビ朝日系)を見て驚いた。なんと2作品の主人公がまったく同じ「特殊能力」を持っているからだ。
どちらも「触れた人の心の声が読める」という特殊能力を持っているのだが、「ESCAPE」ではその能力のことを「さとり」と呼び、「ちょっとだけエスパー」では「超能力」と呼んでいる。「ESCAPE」の結以(桜田)は特別な能力を持つ「一般人」として描かれ、「ちょっとだけエスパー」の文太(大泉)はドラマのタイトルからもわかるように「超能力者(エスパー)」として描かれているから、この差は大きいだろう。
「ESCAPE」でのヒロインである大手製薬会社「八神製薬」の一人娘・結以は、この会社の創業者である故人・八神恭一(間宮啓行)が持つ「さとり」の能力を受け継いでいる。ちなみに恭一を演じている間宮はバリバリの演劇人で、今年1月期放送の「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)では“おしゃべりハッスルじじい”こと鳴川徹弁護士と「リュックメン」という謎の男を見事に演じ分けていた。そんな間宮演じる恭一は、10月22日放送の第3話で、様々な目の表情だけで相手の心を読む「さとり」を表現。シリアスで印象的な回想シーンとなっていた。
桜田演じる結以は、毎話1度は「さとり」の能力を発揮するシーンがあり、ハッとした表情になったとたんに画面が替わり、マーブル模様や白い光などの抽象的な映像が画面に映し出されているのが現状だ。桜田なら間宮のように、目の表情だけで「さとり」を表現できると思うのだが、抽象的な映像に何か意味があるのだろうか。
一方の「ちょっとだけエスパー」の大泉演じる文太は、謎のカプセルを飲まされて「これであなたはエスパーになりました」と宣告され、どんな超能力が使えるようになったのか、まったく説明されないままそのうちに、「触れた人の心の声を聞くことができる」ことを自覚する。そのため、誰かに触れてはその人の心の声を聞きまくるシーンが、10月21日放送の第1話では放送された。大泉が演じているからなのか、文太が人の心を読む姿はコミカルで明るい。それでいて文太が就職した、エスパーたちが世界救うためにミッションを遂行する会社の名前は「ノナマーレ」。イタリア語で「NON AMORE」と表記することができるこの社名は直訳すると「愛してはいけない」。兆(きざし)社長(岡田将生)からは「正体を知られてはいけない」ことと「人を愛してはいけない」ことを言い渡されているから謎は深まるばかりだ。
同クールで「さとり」「超能力」と呼び方は違っても、「触れた人の心が読める」という同じ特殊能力を持つ主人公が生まれたということは、それだけ「人の心の声を知りたい」と思っている人が多いとも言えるし、「人には本音と建前がある」と痛感している人が多いとも言えるのではないだろうか。
(森山いま)
