4月の「フィギュアスケート世界選手権」では圧巻の滑りで世界王者に輝いた羽生結弦選手。世界中を魅了する彼の演技だが、ついにフィクションを超えたと話題になっている。その対象となったのがフィギュアスケートアニメ「ユーリ!!! on ICE」(テレビ朝日系)。
「アニメでは主人公が昨年までの羽生選手の最高得点を超える221.58点をマークしますが、今回の羽生選手のフリーの得点は223.20点。夢を描いているはずのアニメを現実が超えたことに、アニメファンが大騒ぎとなったのです。アニメは振付師の宮本賢二氏が監修しており、現実とフィクションのギリギリを突いていたはず。その“現実離れ”のラインを羽生選手はみごとに超えてみせたわけです」(スポーツライター)
得点劇に限らず、羽生選手自身のスケート人生は実にドラマチックだ。ジュニア時代に地元のスケートリンクが閉鎖。やっと練習場所ができてシニアデビューすると東日本大震災で再び練習場所がなくなる。それでもくじけることなく活躍を続けていると、演技前の練習で接触事故を起こして流血のケガ。その年の暮れには腹痛から先天的な病気が発覚し、腹筋を切るような手術。その手術後の練習では右足首を捻挫。そして翌シーズンには300点超えで世界歴代最高得点をマーク。その後も更新‥‥。
王子様のようなルックスに完璧なスケーティング。そんな彼に襲い掛かる数々の試練。しかし、ヒーローは苦難を乗り越えて必ず栄光をつかむもの。今後も羽生選手のフィクションを超越した演技に期待したい。
(芝公子)