欧米から遅れること約1ヵ月、4月21日に満を持して国内公開されたエマ・ワトソン主演のディズニー映画「美女と野獣」が予想どおり、週末のシネコンを席巻している。
ディズニーアニメの中でも人気最上位の「美女と野獣」。その待望の実写版で、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役で知名度抜群のエマが主演という話題性もあり、公開前から大ヒットは約束されていた。あとは、ゴールデンウィークにかけてどれだけの特大ヒットを記録するかに注目が集まっているというのだが‥‥いきなり出ばなをくじかれたという声が一部から聞こえている。どうやら、初動(公開最初の週末土日)の数字が1週前に公開された人気アニメ「名探偵コナン2017 から紅の恋歌(からくれないのラブレター)」に及びそうにないというのだ。
「コナンが最初の土日で観客動員数98万人、興行収入12億8000万円という、一昨年の超大作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を上回るとんでもない数字を叩き出したこともありますが、『美女と野獣』は各地のシネコンの見込み違いが大きく響きそうだと言われています」(映画誌記者)
近年、ディズニーを中心としたファミリー向けのアニメやファンタジー大作は、字幕版より吹替版の動員が上回る傾向にある。社会現象となった「アナ雪」を筆頭に、現在大ヒットしている「モアナと伝説の海」「SING シング」もそのパターン。ファミリーの多い郊外では字幕版を上映しない劇場も多く、「美女と野獣」はそこまで極端ではないものの、郊外や地方のシネコンでは大箱(客席数の多い)は吹替版、字幕版は中箱という箱割がほとんどだという。
「ところが、今作に限っては吹替版の予約の出足が非常に鈍い。逆に客席数の少ない字幕版が先に埋まって、難民(チケットが買えない)が出るという劇場側の見込み違いが起こっています。週末1位は確実ですが、これが初動の数字に影響するのは間違いありません」(前出・映画誌記者)
記者いわく、「『美女と野獣』はすでに誰もが知り尽くしているストーリーで、あえて吹替で観る必要がない」「GWを控え、想定よりも親子連れの観客がかなり少ない」「作品そのものの評価待ち」などが、理由として推測できるという。
最終的には100億~120億円と、コナンの2倍近い興収を期待されているディズニーの超大作だが、いきなりの誤算がどこまで数字に影響するのだろうか。
(平山リン)
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