「好き」と「嫌い」をハッキリさせる討論バラエティ「好きか嫌いか言う時間」(TBS系)の8月7日放送分のテーマは「日本と世界のテレビの違い」。
日本に住む23カ国31人の外国人が、日本のテレビ番組の気になる部分として「夕方の同じ時間帯にニュースが多すぎ」「スポーツ番組が少ない。あっても野球ばかり」「日本の芸人はハゲをネタにするが、イギリスにはそういう笑いはない」などと指摘。中でもブーイングが多かったのがグルメ番組の多さだ。
「とくに、食のリポーターたちが口をそろえて『美味しい』としか言わないから面白くないという意見が続出。女性タレントなどは飲み込む前から『柔らか~い』『あま~い』などと語って、何ともわざとらしい。誰かが一回でも『マズい』と言わないと信じられない、という意見が飛び交いました」(テレビ誌ライター)
日本ではグルメ番組が1週間に170本も放送されているという。元手がかからず安易に作ることができるうえ、視聴率もある程度見込めるからだ。
確かに「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系)などを観ていると、多くのタレントたちが「この素材にこのスープは合わないと思っていたのに、ちょうどいい塩梅になっている」「初めて食べたけど、病みつきになりそう」などとホメ合戦に終始している。
番組では、辛口評論家が「マズい」を連発するカナダやフランスのグルメ番組も紹介。そのおかげで潰れた店もあると言うと、ゲストのバイきんぐ・小峠英二は「マズいと言えないですね。お店の今後を背負いたくないし」と本音を語った。
MCの坂上忍はそれでも「観ていれば、美味しいかマズいかわかるでしょ」と語っていたが、「隣の晩ごはん」のヨネスケのようにマズい物が出てくると「個性的な味ですね」とゴマかすタレントは一握りで、ほとんどはホメなくてはいけないという先入観を持っているレポーターや取材スタッフばかりというのが現状。
そうした日本のグルメ番組についてロシア人男性が「人が食べている姿を見て、何が楽しいのかわからない」と究極の一言を放っていたが、“言われてみればそうかも”と思う日本人視聴者も多かったのではないか。