いよいよ平昌五輪を控えた17年から18年のフィギュアスケートシーズンが開幕した。シーズン初戦の「オータムクラシック2017」で優勝したのは、スペインのハビエル・フェルナンデス選手。15年と16年の世界選手権で日本のエース、羽生結弦選手を破り王者となった、羽生選手のよきライバルである。
2人はともにブライアン・オーサー門下だが、今季は平昌五輪という大きな目標に向かって、新たな練習環境を試みているという。
「フェルナンデス選手がオータムクラシックの際に、海外の取材陣から羽生選手と一緒のクラブで練習していることについて聞かれて答えていたのですが、同じリンクで練習することには、やはり複雑な心境があるようですね。モチベーションになることもありますが、時にはフラストレーションにもなるため、今季は別のリンクで練習するなどして、コーチを独占できる環境を作っているようです。これまでずっと一緒に練習してきただけに、1人で滑るのがしっくりこない時もあるようですが、これからこの状況に慣れていきたいと語っていました」(スポーツライター)
オーサーはかつて、ライバル同士が同じリンクで練習することでお互いの状況がわかって、相手の仕上がりがわからなくて疑心暗鬼になることがないと、そのメリットを語っていた。しかし、ともに成長し、王者としての自覚もあるからこそ、新しいやり方を試みることにしたのだろう。
この試みが、2人にとって満足できる結果をもたらすことを期待したい。
(芝公子)