ビジネスメールを送ったとき、「斉藤」さんだと思っていた相手が「斎藤」さんだと気づき、アオくなった経験はないでしょうか? まったく気にしない、間違われ慣れている、という人もいますが、ビジネスにおいて名前を間違えるのはかなり失礼にあたりますし、実際に不愉快に感じる人も多いので気をつけたいところです。
さて、「サイトウ」さんと言えば、「斉藤」「斎藤」「齊藤」「齋藤」と4種の「サイ」の字があります。この中で最も多いのが「斎藤」さんで、次が「斉藤」さん。「齋藤」は「斎藤」の旧字体で、「齊藤」は「斉藤」の旧字体です。
「斉」は(セイ)と読ませることからも、「斉藤」と「斎藤」では由来、意味が違うのかと思いきや、「サイトウ」の起源はひとつ。伊勢神宮の斎宮寮の「斎」と、藤原氏の「藤」を合わせたものが「斎藤」の始まりだそう。
それが明治時代に「苗字必称義務令」が公布されたときに、役所で「サイトウ」と伝えた際に、受け付けた役人が認識していた字体で登録されたため、違いが生まれたのだとか。そのせいで、少数派ではあるが「才藤」「西東」と書く「サイトウ」さんも実在するというわけです。
間違えたこちらのほうが悪いのですが、不機嫌むき出しでこられるとちょっと引いてしまいます。そんな、了見の狭い「サイトウ」さんには、この「事実」で対抗してもいいのかも?
(西郡真美子)