「セシル」だけではない!2017年「ドラマ視聴率」ワースト5はフジテレビ

 2017年、在京4局のプライムタイム(19~23時)で放送されたドラマは意欲作が目立った一方、数字に結びつかない作品も多かった。視聴率が低かった5番組は下から、真木よう子主演「セシルのもくろみ」=全話視聴率4.5%、小雪主演「大貧乏」=同4.9%、観月ありさ主演「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」=同5.3%、井上真央主演「明日の約束」=同5.7%、窪田正孝主演「僕たちがやりました」=同6.0%。(ビデオリサーチ社調べ、関東地区)

 今年の特徴として興味深いのは、これらすべてが、フジテレビ系で放送されたものだということだ。

 かつては、木村拓哉主演「HERO」や松嶋菜々子主演「やまとなでしこ」、篠原涼子主演「アンフェア」など数々のヒットを飛ばしたフジの凋落の原因は何なのか。ドラマ制作関係者は「制作現場と局との温度差」を指摘する。

「フジはいまだに権限主義的なところがあって、意識はいまだ黄金時代を引きずっているようです。だから、ドラマの原作者である漫画家の佐藤秀峰氏や小説家の池井戸潤氏、万城目学氏に礼を欠くこともあった。佐藤氏の場合は『海猿』の関連書籍を相談もなく出版。池井戸潤氏の時は原作ドラマ『ようこそ、わが家へ』の主人公を勝手に父親から息子に替えた。フジにボツにされた万城目氏のオリジナル脚本のアイデアが、のちにフジテレビ制作の映画で使用されたという騒動もありました。これらのトラブルは、他の原作者にも影響していて、フジテレビと距離を置く作家もいるようです。また、高視聴率をとっていた俳優が、フジのドラマで軒並み失敗したことで、出演を渋る役者も少なくない。そういった積み重ねが、フジのドラマの質を低下させている大きな原因だと思います」

 とはいえ、「明日の約束」などは「現代の社会における暗部をえぐった作品。人物の心理描写も素晴らしい」と絶賛されており、数字が伸びなかったのは残念でならない。それほど、視聴者の“フジ離れ”が加速しているのかもしれない。

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