フィギュアスケート全日本選手権の結果を受け、平昌五輪の日本代表が発表された。候補の1人と目されていた樋口新葉選手は選抜されなかった。全日本選手権でミスが出て、4位に終わったことが大きく響いたと言われる。
「全日本は代表を決める大切な試合とはいえ、単純にそれだけで決まらないことも過去にはあるのです。13年の全日本選手権で、小塚崇彦選手が3位で表彰台に立ちましたが、高橋大輔選手に代表の座を奪われたこともありますし、それ以前ではバンクーバー五輪の代表を逃した中野友加里選手も09年の全日本選手権で安藤美姫選手を上回る3位入賞を果たしたものの、GPファイナルの日本人最高順位をバンクーバー五輪の代表にするというルールができていたため、GPファイナル2位の安藤選手がバンクーバー五輪の代表になった。出場枠が限られているために、毎回、悲喜こもごものドラマがあるのです」(スポーツライター)
今季のGPシーズンの樋口選手は、中国大会ではロシアのザギトワ選手に1.36差に迫る212.52点で2位となり、GPシリーズでは代表選考に選ばれた坂本花織選手の210.59点を上回っている。また、6位とはいえ、坂本選手が出場できなかったGPファイナルにも出場。世界ランキングも22位の坂本選手に比べ、樋口選手は11位。今季に限った世界ランキングも坂本選手の7位に対して、樋口選手は5位と、全体として坂本選手を上回って見える。樋口選手としては、自分が選ばれる可能性が高いと思っていたとしても不思議ではない。
「とはいえ、全日本の結果が優先されるから仕方がないのです。指導する岡島功治コーチも『代表を決める大切な試合でミスしちゃいけない。勝ち取った選手はミスをしていない』と冷静に語っていました」(前出・スポーツライター)
右足の故障でフリーは痛み止めを飲み、思うような点が出せなかったのも悔しい要因の1つだろう。ショックだろうがまだ世界選手権もある。悔しさをバネに活躍してほしいものだ。
(芝公子)