2月9日公開の福山雅治とチャン・ハンユーW主演によるアクション映画「マンハント」は、79年に中国全土で公開され、当時8億人を超える人が見たという高倉健主演の日本映画「君よ憤怒の河を渉れ」(76年)を熱愛するジョン・ウー監督が、念願の再映画化を果たした作品。中国映画だが全編日本で撮影され、日本の俳優も多数出演している。
かつて香港映画「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」(92年)でジョン・ウー監督と組んだ國村隼が再び出演しているのも目をひくが、注目したいのは國村の息子役の池内博之だ。彼はクライマックスで主演2人と肉弾戦を展開する敵方キャラを演じているが、中国映画への参加は今回が初めてではない。13年の日中合作「スイートハート・チョコレート」に出演して中国での人気に火がつき、16年のアクション大作「レイルロード・タイガー」では主演のジャッキー・チェンと死闘を繰り広げる日本の軍人を堂々と演じている。
「日本での彼のイメージは、いまだにブレイクのきっかけとなった98年のドラマ『GTO』(フジテレビ系)という人も多いようですが、中国では今、かなりの認知度を獲得しています。日本とエルサルバドルのハーフというエキゾチックな顔立ち、特技が柔道・殺陣・乗馬という池内は、押し出しの強い悪役としてピッタリの存在感を持っており、今後は活躍の場をさらにアジア圏全体へと拡大していく勢いです」(映画ライター)
「マンハント」には、ブルース・リーと同時期の70年代初頭に香港カンフー映画で活躍した倉田保昭も出演しており、70歳を超えた今でもアクション俳優としての健在ぶりを見せている。倉田、國村、池内とアジアで異彩を放つ3世代の日本の俳優がそろい踏みしているところも、この映画の魅力といえるだろう。