東京ドームの前から見上げると、たくさんのハングル文字、アルファベット、日本語、イラスト…。いま「東京ドームホテル」の多くの窓に、外から眺めてもはっきりわかるほど様々なメッセージが掲げられている。そのすべてが、2月26、27日に東京ドームでコンサートを行うK-POPグループSHINeeに向けられたものだ。
「特にアイドルのコンサート開催時にこのホテルに宿泊したファンが、滞在する部屋の窓にテープやボードでグループ名や“推しメン”の名前を掲げるという現象が、数年ほど前から起こっているんです」(女性誌ライター)
ただ今回は、いつも以上によりファンの思いが感じられたという。というのも、今回のドーム公演「SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~」は、昨年12月、5人組グループであるSHINeeのメンバーの一人であるジョンヒョンさんが死去した後、メンバーが初めて公の場に姿を現す公演だったからだ。
「ジョンヒョンさんの突然の死にファンたちは大きなショックを受けました。コンサート開催についても一時保留になりましたが、大切なメンバーを一人失うという大変な出来事だったゆえ、グループ自体が存続できるのかどうかすら不確かな状況だったと思います。そんな中、メンバー達の意思が尊重され今回のコンサートの決行が発表された。誰よりも辛いはずのメンバーの決断に、多くのファンは勇気づけられたのだと思います」(前出・女性誌ライター)
ファンの感謝や応援の気持ちが込められているからだろう。窓にはグループやメンバー名だけでなく、「ありがとう」のメッセージや、“SHINeeは5人だ”という意味のファンの造語「5HINee」、さらにはジョンヒョンさんを表すハングル文字などがズラリと並んだ。外が暗くなるといくつもの窓からメッセージが明るく照らし出され、コンサートに訪れたファンからは「SHINeeへの愛が溢れてる」「温かい気持ちになる」などと感動の声があがった。
以前よりSHINeeに関心を寄せていたフィギュアスケーターの村主章枝さんも、東京ドームホテルの外観写真をInstagramにアップ。「ファンの愛を感じました。」等とコメントをあげ、思いを分かち合った。
27日はコンサート最終日だ。悲しみの中で勇気をもって立ち上がったSHINeeは、会場外にまで満ち溢れるほどのファンの大きな愛に包まれ走り切ることだろう。
(稲垣まゆう)