お出かけした際、子どもにちょっと静かに待っていて欲しいときなど、とても重宝するのがスマホやタブレットですよね。最近では、電車やバスの中で、器用にスマホを操作する乳幼児をよくみかけるようになりました。電子機器がどんどん進化していく時代を生きる子どもたちですから、そういったものにも積極的に触れて欲しいですよね。とはいえ、やり過ぎないか心配…というお母さんもいるのでは。
筆者は、園児や小学生の教育現場で、このようなお話をお母さんたちからいただくことが多くあります。そんなときは、用途を遊び(ゲーム)と学習に分けてお話しています。
子どもは、ひとたびインターネット動画などに夢中になれば、操作なんてお手のもの。アニメを見たり、自分と同じくらいの子どもたちの動画を見たり、ものすごい集中力で画面に釘付けになります。また、タッチして遊ぶゲームなども、子どもたちは大好き。ぐずっているときはスマホやタブレットをおねだりしているサイン、というほどハマっている子もいるかもしれません。
このような“遊び”の場合は、少し注意が必要です。5歳くらいまでの子は、見て、触って、確かめて、一つずつ世界を知っていきます。実物の手触りや大きさを知ることはとても大切ですし、ひっくり返してさまざまな方向から見ることで新しい発見をたくさんします。その一つひとつが、知識や考え方の土台になるのです。そんな、子どもが成長する大切な時期に、映像やゲームばかりに時間を費やすのはもったいないですよね。
反対に、実物のおもちゃは、遊ばせてくれても遊んではくれないので、自分で遊び方を考えて楽しむ必要があります。試行錯誤ができるのが、おもちゃのとても大きなメリット。物を使って、自分で遊ぶ経験をたっぷり積ませてあげることも大切なのです。ですから、アニメやゲームは、時間を決めるか外出中だけにするなど、ほどほどにすることをオススメしています。
一方で、タブレット学習についても、ご相談いただくことが多いです。ひらがな・カタカナや数字、図形のセンスを磨くゲームなど、そういったものは、子どもが興味を持って取り組めるのであれば、活用してよいと思います。もちろん、長時間続けないようにする、大人のサポートも必要です。
大人たちとの、そして子ども同士でのコミュニケーションや、実際にモノに触れて体験すること。これらは、感覚や思考が発達する幼少期の子どもたちにこそ、たっぷり経験して欲しいものです。デジタルデトックスも視野に入れて過度な依存にならないよう注意しながら、スマホやタブレットを上手に活用してください。
(Nao Kiyota)