学習塾でお母さん方から子育てのお悩み相談を受けていると、入学前の時期の子どもたちについて、必ずといっていいほど質問されることがあります。それは、「うちの子、小学校でうまくやっていけるでしょうか?」というもの。
新しい環境には不安がつきものですし、辛い・苦しい壁にも必ずぶつかることでしょう。そんなときに、受け身になって相手や環境のせいにするのではなく、自分の力で壁を乗り越え、人生を変えていけるかどうか。その力があれば、小学校時代の学習や人間関係の困りごとは、きっと乗り越えていけるはずです。そこで、小学校入学前の子どもたちに、身につけておいてほしい2つの力をご紹介します。
■人生を楽しむ力
新しい学びにはワクワクして取り組み、「こうなるんじゃないかな?」「どうしてそうなるんだろう?」と自分で考え、「え~っ、すごーい!」と発見や感動を積み重ねることができる子は、知識の面でも思考力の面でも、グングン伸びていきます。
「好きこそものの上手なれ」といいますが、まさにそう。楽しいこと、好きなことには、頭が活性化してフル回転するのです。漢字テスト一つとっても、自分との本気の勝負として楽しみながら取り組める子は、覚えるまで何度でも練習できるようになります。
すべきことに向き合ったときに、嫌々取り組むのか、楽しんで自分から取り組むのかでは、大きな違いが生まれます。だからこそ、学校生活で輝くための重要な土台の一つとして、これらの「人生を楽しむ力」が必要となるのです。そしてこの力は、「周りの大人たちが人生を楽しんでいるかどうか」で育まれるのではないかと思います。
■決めたことはとことんやり抜く忍耐力
やると決めたらやりきるまでめげずに取り組む子、中でも、考え抜くことを楽しめる子は、自身をグングン成長させていきます。とはいえ、何も手がかりなく考え続けることは、苦痛になってしまいがち。大人がサポートしながら、最後は自分の力でやり抜いたと思える経験をたっぷり積ませてあげることが大切です。「わかんな~い」と甘えてきたら、答えを教えるのではなく一緒に考えるようにし、子どもの意見も聞き入れてあげるとよいでしょう。
お母さんが時間を作って読書をしている家庭では、子どもも自然と本を読む習慣がつくケースが多いようです。このように、大人が背中をみせることで、子どもの好奇心をくすぐり、考え抜く楽しさを経験させてあげたいですね。大好きなお母さんが大切にしていることは、子ども大切にしたいと思います。ぜひ、これら2つの力を意識して日々を共に過ごし、子どもの小学校生活が充実したものになるようにしてあげてくださいね。
(Nao Kiyota)