ふと子どもを見ると、暇さえあればゲームに夢中になってうずくまっていませんか? 学習塾の現場で、お母さんたちから「ゲームはどのくらいさせて大丈夫でしょうか?」と質問をいただくことがありますが、極力短くすることに、悪いことはないと思います。一方で、外での遊びにはたくさんのメリットがあります。ですから、子どもと家庭でのルールを作って、ゲームの時間を制限してでも外遊びはさせたいものです。その理由を3つご紹介していきましょう。
■クリエイティブになれる
外では、子どもは遊びの発明家です。持っている玩具が少なければ少ないほど、何を使うか、どこで遊ぶか、何人でどんなことをするかを、絶えず考えなければなりません。自分だけが楽しい方法では、誰もついてきてくれませんよね。また、自分が楽しむためには、周りを楽しませる必要もあります。だからこそ外遊びには、主体的に考える力を身につけると同時に、発想力を鍛えるチャンスが溢れているのです。
■コミュニケーション力・協調性が高まる
友だちと遊ぶということは、いわばチーム戦。チーム戦となれば、チーム内での連携が不可欠です。うまく役割分担をして連携をとるには、コミュニケーションが欠かせませんよね。だから、コミュニケーション力が高まり、相手を傷つける・不快にさせないための言葉遣いや話し方も鍛えることができます。外遊びは、楽しみながら社会性を育むことができるのです。
■ケンカ・もめごとから多くを学ぶ
外遊びでの一番の学びは、失敗したとき。全員が楽しめなくなってしまう場面は、集団で遊んでいるからこそ起こることです。さまざまな考えの友だちがいて当たり前。楽しいのか嫌なのかも人それぞれです。そんな状況から、自分の基準で決めつけるのではなく、相手の言葉に耳を傾けたりメンテナンスを行ったりする必要があることを学び、あれこれ試行錯誤することができるようになるのです。
「子どもは遊んでばかりでいいね…」と思ってしまいがちですが、子どもが上手に遊ぶときは、心も体もフル稼動させています。ときには我慢することもあるでしょう。大げんかして、泣いて帰ってくることもあるかもしれません。でも、社会に出たとき、その一つひとつが、さまざまな人とかかわり協力し合うための土台となるのです。そのためにも、子どもには室内での一人遊びだけでなく、ぜひ外遊びをさせて、楽しくもあり試練もある旅へと送り出してあげてください。
(Nao Kiyota)