教育現場で子どもたちをみていると、自分の力で実力を高めていく子には共通する特徴があります。言われたことをこなすだけではなく、自らレベルアップしていけるように、子どもたちには小学校時代までに、そんな資質を身につけて欲しいものです。
■自分のことを卑下しない
「ぼく、できないと思う!」「どうせ違うもん」と自分の力を否定する子は、「わたしはできる!」と思っている子と比べて、挑戦・経験の量がぐっと少ないです。経験をしないので、成功体験を積むことができず自信もつかないため、いつまでたってもやる気が芽生えません。
実はこの感覚は、私たち大人が植え付けてしまっていることもあります。「調子に乗ってないでしっかり説明を聞きなさい!」「そんなんでできるようになるわけないでしょう!」など…、「信用されていない」「期待されていない」という感覚は、子どもの挑戦意欲を減退させてしまうのです。大人からみると子どもにできることは少ないですが、練習を重ねてできるようになるのが子どもです「こうしたらもっと上手になるよ」「きっとできるよ!」と、前向きな言葉で子どもたちの背中を押してあげたいものです。
■失敗しても自分を許せる
失敗が怖い子も、経験総量を少なくしてしまいます。「失敗しても、またやり直せばいいや」と思える子は、少しくらい難しそうなことでも自分から経験しようと動きます。こういう子は、「何回もやれば絶対にできる」と思っているため、1度の失敗くらいで自分のことが嫌になったり、諦めたりしません。「じゃあ、次はどうしたらできるようになるかな?」と、新たに作戦を立て直す習慣がついている子は、自分で自分の力を高めていけるのです。
■自分のことを、信じられる
目の前に、見たことのない(まだ習っていない気がする)問題がある。そんなときに「考えたらみつかるかも!」と思える子は、正解への一歩を踏み出しています。一方、「きっとわたしじゃ無理だ…」と思う子は、頭が、手が、止まってしまうのです。自分のことを信じることは、子どもたちの挑戦と成長に欠かせない要素だと思います。
私たち大人は、経験してきた分「きっとうまくいかないだろう」などと、ちょっと先の未来をみてしまいます。しかし、子どもにとっては、やってみないとわからない未来なのです。ですから、私たちの役割は危険や失敗から子どもたちを守ることではなく、「どんどんチャレンジしてごらん!」「違う方法を考えてみようよ。きっとできるよ」と、前向きに背中を押してあげることなのかもしれませんね。
(Nao Kiyota)