厚生労働省の国民生活基礎調査によると、介護が必要な要支援者の19.4%(最多割合)が関節疾患によるものなんだそうです。膝の痛みは何をするにも付き合っていかなければならず、心に影響を及ぼしてしまうことも。いつまでも自分の足で歩み、自由に移動するために気をつけたい「変形性膝関節症」について、関町病院院長で整形外科医の丸山公さんにうかがいました。
■「変形性膝関節症」の危険度チェック
□膝にこわばりを感じる
□動き始める時に膝が痛む
□曲げ伸ばしすると膝が痛む
□階段を上り下りする時に膝が痛む
□膝が腫れている、または熱感がある
□激しいスポーツをしている、またはしていた
□僅かな段差でも転びやすい
□過去に膝にけがをしたことがある
□座ったり立ったりすることが多い生活をしている
□最近歩き方が変わってきた
いかがでしたか? 1つでも当てはまり、痛みがあったらまずは専門医に相談してください。初期の変形性膝関節症の方は、補助具をつけて生活することでかなり痛みが改善するとのこと。日常生活の注意の他には、軟骨構成成分の生産を促進する成分として、コラーゲン・トリペプチドの摂取も有効。他の療法と併用することで、治療効果があがることがわかっているそうです。
また、関節を守るためには周囲の筋肉が必要なんだとか。個人差はありますが、40歳前後から徐々に筋肉量の減少傾向がみられ、その傾向は加齢に伴って加速化するそうです。早いうちから、膝に負担をかけずに膝の周辺の筋力を鍛えましょう。それには、関節の可動域をキープするためのストレッチなどがオススメなんだそうです。やり方は次の通りです。
■下肢の筋肉のストレッチ
壁につかまり、一方の膝を前に出して曲げ、もう一方は後ろに引き、足の底をついたまま膝を伸ばして下肢の後ろの筋肉をゆっくり伸ばす。この位置で20数える
■アキレス腱のストレッチ
かかとを床につけたまま膝を曲げ、腰を落とす。脚の後ろを緊張させた状態で20数える
■膝を伸ばす筋肉を鍛える
膝の後ろにタオルを丸めて置く。膝の裏で押しつけるようにして脚を伸ばし、10数える。足首を上に曲げるとやりやすい
■膝を曲げる筋肉を鍛える
膝を軽く曲げて床に座る。膝の裏にビニールボールを置き、膝を曲げる。曲げた状態で10数える
他にも、体重コントロール、日々の姿勢を整える、入浴で温めてから屈伸運動をする、冷え対策を行うなどで、膝の不調は予防できるそうです。痛くないうちはなかなか意識できませんが、動けなくなってからでは遅いですよね。生活習慣の見直しとストレッチの実践で、しなやかに動く膝をキープしましょう。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)