日本でも韓国でも居場所がなくなってしまった?
韓国の男性音楽グループ「防弾少年団(BTS)」の所属事務所が過去にメンバーが原爆投下の場面がプリントされたTシャツを着用していたこと、ナチス親衛隊の徽章をあしらった帽子をかぶったりしたことなどの一連の騒動について謝罪した。
同事務所は原爆被害者やナチスの被害者を傷つける意図はなかったと説明したうえで、不快感を与えたことを謝罪。また、ユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」に対しては謝罪の書簡を送ったとのことで、同団体もBTSの謝罪を受け入れる意を示している。
さらに同日に東京ドームで行われたBTSのコンサートでも、原爆Tシャツを着用していたジミンが「心配させてごめんなさい」と、ファンに向けて謝罪。日本と米国での活躍も顕著なグループということもあり、謝罪する道を選んだようだが、どうやらこの選択に彼らの母国・韓国から批判が集まっているようだ。
「原爆投下については我々日本にとっては歴史的悲劇であることは間違いありません。しかし、韓国側にとっては原爆投下が日本による植民地支配が終わるきっかけとなったというとらえ方もありますから、今回の騒動で韓国の人々はむしろBTSのことが好きになったという人が増え、問題のTシャツも爆売れしているのが現状。だからこそ、BTSの所属事務所が謝罪コメントを出したことに納得いかない人も多いようです。また、BTSは先月24日、韓流を広めるなど大衆文化芸術の発展に寄与した功績が認められ、韓国政府から文化勲章を受章したばかり。今回の謝罪により、文化勲章をキャンセルすることを望む署名運動が進み、現在2800人以上の署名が集まっているそうです」(エンタメ誌ライター)
今回の騒動で、韓国の人から英雄のような扱いを受ける一方、裏切り者という見方もされるようになったBTS。謝らなくても叩かれ、謝っても叩かれる…少々気の毒に思えてくるところだ。
(田中康)