ジャニー喜多川社長の類まれな嗅覚によって、パーソナリティーがまるで違うジャニーズJr.たちが集められて、新グループが誕生する。このとき、Jr.の意見は反映されない。と思いきや、時にはメンバーの直談判によって増員されることがあるようだ。
「そのさきがけは、V6でしょう。キーマンは三宅健です。Jr.時代にジャニーさんから、『こういうメンバーでデビューしようと思うんだけど…』と相談されたとき、“剛健”の愛称で人気を二分していた森田剛がいなかったのです。三宅は、『剛がいないんだったらデビューしたくない』と断り、『YOUが一番になるグループにしたい。(森田が入ると)YOUは一番になれなくなっちゃうじゃない』と言われても、『それでもいい。あいつを入れてくれたらデビューしていいよ』と居丈高な姿勢を貫き、森田をメンバーに加えました」(アイドル誌ライター)
森田を見捨てなかった三宅の目論見は見事に当たり、V6は、剛健に最年少の岡田准一を加えた年少トリオ・Coming Centuryが人気をけん引した。
同じくメンバー愛に恵まれたのは、Kis-My-Ft2だ。
「CDデビューする前年(10年)、キスマイは横尾渉と二階堂高嗣を除く、北山宏光、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、千賀健永、宮田俊哉の5人で主演舞台『少年たち~格子無き牢獄~』に出演しています。外された2人は相当ショックで、退所を考えました。やがて、5人でデビューが内定。そこで立ち上がったのは、藤ヶ谷と北山。『7人でいかせてください』とジャニーさんに直訴して、現在の形に落ち着きました」(前出・アイドル誌ライター)
今春はキスマイにとって、勝負の時。現在、ジャニーズ初となるdTVの新番組「キスマイどきどきーん!」が配信中。4月からは、「ザ少年倶楽部プレミアム」(NHK・BSプレミアム)の4代目MCに就任する。さらに、現在深夜帯で放映中の「10万円でできるかな」(テレビ朝日系)がゴールデンタイムに昇格。7人の真価が問われる。
そんなキスマイと同じ7人組のジャニーズWESTも、メンバーの直訴で増員に成功している。13年大みそかのジャニーズカウントダウンライブ公演中に、翌14年のCDデビューが発表された際は、中間淳太、桐山照史、重岡大毅、小瀧望の4人。しかも、ユニット名は「ジャニーズWEST4」だった。
ところが、同じ釜の飯を食ってきた仲間を裏切れないと、この4人はジャニー氏に直訴。翌14年2月に濱田崇裕、神山智洋、藤井流星が新メンバーとして加わり、「ジャニーズWEST」に名も改まった。
来年が結成25周年のV6も、キスマイもWESTも、メンバー脱退とは無縁で今日にいたる。直談判した絆はホンモノだ。
(北村ともこ)