3月12日に逮捕された俳優でテクノユニット「電気グルーヴ」のピエール瀧こと瀧正則容疑者。一夜明けた13日、テレビ各局には相変わらずの激震が走っている。
「CMの削除や関連商品の発売中止、テレビ番組の差し替えなど事態は深刻。『デイリースポーツ』は逮捕による違約金や損害賠償は、30億円を超えると報じています」(スポーツ紙記者)
そんな中でも被害甚大なのが、NHKだろう。
「すでに大河ドラマ『龍馬伝』、連続テレビ小説『あまちゃん』『とと姉ちゃん』、土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』などオンデマンド配信は停止。出演作品のDVD販売についても対応が検討されています。その中で、一番深刻なのは、現在放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』なのは言うまでもありません」(前出・スポーツ紙記者)
大河ドラマ「いだてん」の中で瀧が演じるのは、足袋店「播磨屋」の主人・黒坂幸作。日本人で初めてオリンピックに参加した金栗四三(中村勘九郎)のマラソン用の足袋を開発するキーマンでもある。3月17日の放送には、瀧の出演シーンがなかっただけに事なきを得たが、役柄的にも主演する中村勘九郎とのやりとりが多く、大河ドラマの関係者も頭を抱えている。
「NHKでは、いくら収録済みとはいえテロップで処理するだけでは許されません。制作チームは、出演シーンのカットや代役を立てて撮り直すなど対応に追われているようです」(テレビ誌ライター)
そんな中、3月14日に放送された生番組「とくダネ!」(フジテレビ系)で、キャスターの小倉智昭が“妙案”を示した。
「小倉は、落語家・古今亭志ん生役と“語り”を担当するビートたけしに着目。二人が共演する場面を“志ん生の落語”、又は“語り”で表現すればいいとコメントしたんです。確かにこれなら、新たなキャスティングに頭を悩ませる必要はありません。前日には、同番組で『電気グルーヴは、当初6人くらいいたのかな』と話して、『電気グルーヴ』と『電撃ネットワーク』を取り違えるという凡ミスで失笑を買っていただけに、今回の発言は起死回生のコメントになったのかもしれません」(放送作家)
視聴率の低迷に加えて、瀧容疑者の逮捕と“泣きっ面にハチ”の「いだてん」。この苦境を一体、どうやって乗り越えるのか、皮肉にも見どころは増したようだ。
(窪田史朗)