ピエール瀧容疑者の逮捕を受けて、所属レコード会社のソニー・ミュージックレーベルズは、瀧容疑者と電気グルーヴ関連の商品を回収、販売停止にすると発表。また、出演中の大河ドラマ「いだてん-東京オリムピック噺-」(NHK)はピエール瀧容疑者の代役に三宅弘城を立てて出演シーンをすでに放送済みの回も含めて撮り直しすることとなり、4月5日に公開を控えている映画「麻雀放浪記2020」は、再撮などの再編集が間に合わない点と、観客が自らの判断で料金を支払い観賞するクローズドなものであるとして、予定通りの公開を決定した。
「こうした事態を受けて発言をしたダウンタウンの松本人志と、爆笑問題の太田光の“是非論”の違いに注目が集まっています」(芸能ライター)
3月17日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)で松本人志は〈もしかしたら、薬物という作用を使って、素晴らしい演技をしていたと思ったら、それはある種ドーピングなんですよ〉、そして自身の監督経験を踏まえて〈ドーピング作品になってしまうので、僕は、監督としては公開して欲しくないですけどね〉と発言し、波紋を呼んだ。一方で同日、爆笑問題の太田光はラジオ番組「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ)で〈芸術は悪い面と良い面を引き離せない。どうしても引き離して考えようとするけど、同時にあるからこそ優れた芸術であって。“善と悪”という考えも誰にとっての“善と悪”というもので変わってくるんだけど…〉と語っている。
「大きく違うのは作品が生み出される過程についての考え方の違いです。松本はあくまで、薬物の助けを借りずに、自身の持てる力で生み出したエンターテインメントこそ価値があるという立場で、太田は『道徳的な表現だけが人を感動させるということでもなくて』として、太宰治や三島由紀夫といった自死した文豪の作品で命の大切さを学校で教えているという例を出しながら、“芸術”の価値を認めています。ネット上では、松本の意見に賛同する声も多い反面、太田のコメントに賛同しつつ『松本人志の単眼的な断罪は表現者として稚拙で、無知を晒している様にしか思えない。この辺りの多面性が太田光の核だと思う』という指摘もあります。かつて“犬猿の仲”とされたこの2人は、いみじくも日曜朝10時、情報バラエティ番組でも対決する間柄ですが、次回の放送でどのようなコメントをするのか楽しみですね」(前出・芸能ライター)
後に松本の発言は、“合法か非合法か”という話にすり替わり、一部では批判を集めてしまっているが、逮捕者の出演作品をどう見るか、という問題については、しばらく尾を引きそうだ。