5月22日に薬物所持の現行犯で逮捕された田口淳之介を巡り、音楽業界の対応が出そろってきたようだ。昨年11月までアーティスト契約を結んでいたユニバーサルミュージックでは田口のページを削除したうえで、全作品の販売を停止。音楽配信サイトのレコチョクでは24日までに田口作品の配信を停止したほか、iTunesでも〈リクエストされたアイテムは現在、日本のApple Musicではご利用になれません〉と表示されるようになっている。
「この対応はまるで、3月12日に電気グルーヴのピエール瀧被告が逮捕された時のケースをトレースしているかのようです。そのため今回の田口に関しても『作品に罪はない』として出荷停止や配信停止を批判する声があがっています。ただ瀧のケースとは異なり、田口の作品が聴けなくて残念との声はほとんどないほか、既発のCDやDVDがメルカリで高値を付けるといった例も見られません。いかに“アーティスト田口淳之介”が世間に浸透していなかったのかを浮き彫りにした形です」(音楽ライター)
ともあれ田口の音楽作品が次々と世から消えていっている状況に対しては懸念の声があがっている。そんななか、音楽業界の対応に疑問を抱く向きも少なくないという。音楽ライターが続ける。
「田口の関わった作品を出荷・配信停止にするなら、彼が脱退する以前のKAT-TUNについても同じ対応をするべきとは言えないでしょうか。しかし、現状では田口在籍時のアルバムが普通に売られていますし、配信についても8thアルバム『come Here』のリードトラックである『come Here』など一部の楽曲はいまでもダウンロード可能です。これらの対応について、グループとしてのKAT-TUNに罪がないというのなら、同様に瀧の電気グルーヴにも罪はないはず。なぜKAT-TUNなら回収にならないのか、納得できない音楽ファンは少なくないことでしょう」
もちろん音楽ファンはKAT-TUNの作品を回収してもらいたいわけではない。KAT-TUN作品が今でも買えるのと同様に、電気グルーヴの作品も復活してほしいということなのだろう。
(白根麻子)