令和元年に、東京ドームでいちばん最初にコンサートを開いたアーティストは、Kis-My-Ft2だ。5都市13公演を周る5大ドームツアー「Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2019 FREE HUGS!」を5月6日に開催して、令和のトップバッターとなった。
振り返れば、東京ドームでの音楽面の歴史はジャニーズタレントとともに歩んだといっても過言ではない。そもそも、ドーム建設前の後楽園球場のころ、当時では数えるほどしか実現できなかったアイドルのスタジアムコンサートに、たのきんトリオ(田原俊彦、近藤真彦、野村義男)が名を連ねている。80年代のアイドル黄金期のド真ん中にいたたのきんこそが、ジャニーズのアイコン。この継承が今につながっている。
「たのきんが球場でコンサートを開いたのは81年。88年に東京ドームとなって生まれ変わりましたが、平成になっていちばん最初にコンサートを開いたのは光GENJIでした(89年1月15.16両日)。そして平成の終わり、アイドルグループとしてのいちばん最後が嵐(19年4月18~20日)。令和元年の一番乗りがキスマイ。平成、令和の節目のすべてがジャニーズグループだったのです」(アイドル誌ライター)
現在の日本を代表するトップアイドルは、言わずと知れた嵐。現在開催中の5大ドームツアーのファイナルは12月25日の東京ドームだが、このすべてを予定どおり終えると、通算76公演となり、最多となる。それまでのトップはKinKi Kidsだったが、嵐が上回る。そんな嵐でさえ達成できなかった記録を持っているのは、後輩のKAT-TUNだ。
「09年に、史上唯一の8日間連続公演を行なっているのです。それまでの同所での連続公演記録は、08年のKAT-TUNと88年の英歌手・スティングが築いた4日間でしたが、それをみずからが大幅更新したのです。6人体制だったKAT-TUNがいかに人気だったかがうかがい知れます。ちなみに、この8日間でおよそ44万人を動員しています」(前出・アイドル誌ライター)
KAT-TUNは、06年3月22日にデビューシングル『Real Face』をリリース。同日発売のデビューアルバム『Best of KAT-TUN』、デビューDVD『Real Face Film』の3枚がオリコンチャートの各部門で初登場1位を獲得。シングルはいきなりミリオンヒットとなった。この発売日の直前にあたる3月17日、東京ドームでスペシャルコンサートを開催。当時、デビュー前のドーム公演は音楽業界初で、デビュー前にもかかわらず5万5000人も動員している。
令和のキスマイで改めて浮き彫りとなったジャニーズグループと東京ドームの歩み。今後、記録はさらに更新されそうだ。
(北村ともこ)