2019‐2020のフィギュアスケートシーズンがいよいよスタートした。フィギュアファンから注目を集めているのが、ジュニアの日本人男子選手だ。
シニアのGPシリーズに先駆けて、8月21日からジュニアのGPシリーズ初戦がフランスで開催され、日本人の鍵山優真選手が、圧倒的な得点で優勝を果たしたのだ。
「鍵山選手は昨年もアジアンオープントロフィーというジュニアの国際大会で優勝。ジュニアGPシリーズでは2位と4位という上位の成績で、全日本選手権にも出場し、堂々の6位入賞を果たしています。コーチはお父さんで、アルベールビル、リレハンメルの両五輪にシングルで出場した鍵山正和氏です」(スポーツライター)
鍵山選手はFSでは4回転ジャンプを2本跳び、1本をきれいに決めて総合得点234.87点。2位となったカナダのアレクサ・ラキッチ選手におよそ34点もの差をつけての圧倒的な勝利をおさめている。
「SPでは80.61点をマークし、キス&クライではコーチと一緒にすごく驚いていたんです。口をあんぐりあけて思わずのけぞり、口をおさえる姿がとてもかわいらしく、その映像がISU(国際スケート連盟)の公式ツイッターにアップされると、6時間で1万回も再生され、世界中から注目を浴びました」(前出・スポーツライター)
注目すべきは鍵山選手だけではない。第2戦のアメリカ大会では、佐藤駿選手が昨年度のジュニアGPファイナルを制した、カナダのスティーブン・ゴゴレフ選手を13点以上上回る217.12点で優勝したのだ。
SPでは、トリプルアクセルで破格のGOE2.51点という高得点を取り、首位となるものの、ゴゴレフ選手との差はわずか0.34点。佐藤選手は今大会がジュニアGPシリーズのデビューで、その初めての大舞台で追われる戦いとなるFSで、3本の4回転ジャンプを跳び2本をクリーンに決めて、堂々の優勝となったのだ。ゴゴレフ選手がFSで2度の転倒をしたこともあったが、快挙であることには間違いない。
ジュニアグランプリシリーズの2大会連続の日本男子の優勝という最高のシーズンスタート。2人は今シーズン、ジュニアの世界ランキングで1位、2位をマークしている。2人がこれからどう切磋琢磨して、ポスト羽生結弦の位置に迫っていくのか、大いに期待される。
(芝公子)