暑さによる運動不足や炭水化物中心の食生活(そうめんやパスタ、冷たいドリンク・アイスの飲み過ぎ・食べ過ぎなど)が原因で起こる「夏太り」。秋を過ぎても「まだ元の体型に戻らない!」なんてお悩みの女性も多いのでは?
冬の間に改善するためには、食生活を改善することが大切です。『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』の著者であり、循環器専門医の池谷敏郎さんに“夏太りを解消する食べ方のコツ”をうかがいました。
池谷さんによると、炭水化物中心の食事で太ってしまう主な原因は、「食後血糖値の急上昇」とそれに伴う「インスリンの過剰分泌」。白米やうどん、パスタなど、でんぷんを含む炭水化物の糖質は、消化・吸収が早いために食後血糖値を急上昇させやすく、また、血糖値を下げるために分泌されるインスリンには、体内の余分な糖を脂肪に変えて体に溜め込む働きがあることから、内臓脂肪を中心とした肥満の原因となりやすいのだそうです。さらに、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、脂肪細胞からTNF-αやレジスチンなど、インスリンが血糖値を下げる働きを鈍らせる物質が分泌されるようになり、食後の高血糖とインスリンの過剰分泌に拍車をかけ、メタボの増悪や糖尿病の発症へと繋がりかねないとも語ります。
食後血糖値のコントロール法として、食事の最初に野菜やきのこ、海藻などの食物繊維が豊富な食品を食べ、糖の吸収を緩やかにする「ベジ・ファースト」が注目をされてきました。しかし、こうした“前食べ”系のダイエットは、日々の食事のなかでうっかり忘れてしまったり、早食いなどが原因で結局主食の量が減らせなかったりと、うまく取り入れられないケースも多いもの。
そこで、池谷さんは主食に、低糖質で食後血糖値抑制効果が期待できる食材を混ぜて食べる「混ぜ食べ」を勧めています。中でもオススメは、癖や強い香りがなく、料理において他の食材との相性がよい名脇役「ブナシメジ」なんだそう。池谷さんによると、混ぜご飯など、主食にブナシメジを混ぜて食べることで、次のようなダイエット効果が期待できるといいます。
■糖質の総摂取量を減らすことができる
ごはんや麺などを普段の3分の1の量にし、代わりに低脂質・低糖質のブナシメジを混ぜることで、食事量はそのままに、カロリーや糖質の摂取を抑えることが可能。また、ブナシメジなどの菌類は、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富なので、1日の栄養不足も調整しやすくなるそうです。
■血糖値の上昇を抑えて痩せホルモンを刺激
ブナシメジに含まれるβグルカンをはじめとする水溶性食物繊維には、糖の吸収を穏やかにする働きがあり、食後血糖値の急上昇・急降下を抑制する効果が期待できるそうです。また、水溶性食物繊維を摂取すると、「GLP1」という“痩せホルモン”が小腸から分泌され、満足感が得やすく、腹持ちがよくなるとか。ブナシメジの歯ごたえもポイントで、よく噛むことでも満腹中枢が刺激され、満足感が得られやすいという利点もあるそうです。
■腸内環境を整え、便通をよくする
ブナシメジに含まれる水溶性食物繊維には、腸内環境を整えて便通を改善する効果が期待でき、便とともに古い「胆汁酸」を排泄、新しい胆汁酸が合成されることで、代謝を高める効果が期待できるそうです。
食前や食事の最初に決まったものを食べるよりも、「混ぜて」食べることで食べ順を忘れる心配もなく、簡単に取り入れられることができそうです。寒い時期の味覚を楽しみながら、スリム体型を目指す方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)