いきものがかり、独立発表に向けて後押しした事務所社長の“器のデカさ”

 3人組ユニットのいきものがかりが12月25日、SNSなどを通じて現在の所属事務所から独立することを発表した。

 オフィシャルTwitterアカウントにて“いきものがかりからのお知らせ”と綴り、公式サイトでは「所属事務所の株式会社キューブを独立し、2020年春から、自分たちで設立する新会社のもと、新たな歩みを始めていくことになりました」と現在の事務所から独立する旨を報告したいきものがかりのメンバー水野良樹、吉岡聖恵、山下穂尊。

 その理由や経緯について、結成20周年を迎えてメンバーが30代となる中で、「時代も変わり、音楽を取り巻く環境は常に変化しています。これからの3人の活動が、そして人生が、どうあるべきなのか、長い時間をかけて話し合いました」と環境の変化などを綴り、「20年前、僕らは3人だけでこのグループを始めました。あのときと同じような気持ちで、もう一度、スタートラインに立つべきじゃないか」とゼロからの再出発も宣言した。

 また、いきものがかりによる独立の決断に対して、現事務所キューブの北牧裕幸代表取締役社長も「思い起こせば、私が株式会社キューブを設立したのは37歳の時です。彼らもその年齢に差し掛かって来ました。自らの羽で飛んでみたいと思う気持ちはよくわかります」と自身の同時期と照らし合わせながら、いきものがかりの心情に理解を寄せると、「親心としては、もちろん老婆心で、転ばぬ先の杖も心配してしまいます。しかし、旅立つ若者の背中を押し、見守ってやるのも親の愛情かと思います」とも綴り、所属アーティストとの深い絆の存在を窺わせた。

「音楽の世界では所属歌手の事務所移籍や独立のトラブルというのはよく散見されるケースですが、今回のように社長が屈指の稼ぎ頭の独立に温かなメッセージを残したことについてはネットでも『執拗に残留させる社長が殆どなのに客観的に物事を考え、後押しをしてくれる社長で良かった。素晴らしい社長』『独立で社長がわざわざ応援コメント出してくれるなんて、今時珍しい物分かりの良い、器の大きな人格者だね。事務所の好感度が上がる』などと賛辞が集まっています。中にはタレントの移籍や独立に際し、明らかに含みのある表現で別れのコメントを残すケースもありますから、いきものがかりは気持ちよく退社することができたと言えるでしょう」(エンタメ誌ライター)

 独立の発表によって、事務所との良好な関係性が明るみとなるのは稀有なケースかもしれないが、いずれにしても、いきものがかりにとっての2020年が新たなスタートを切る再出発の1年となるよう願いたいところだ。

(木村慎吾)

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