新型コロナウイルスの拡散が止まらない。2月20日には九州在住者で初の感染が確認されたと福岡市長が発表。19日には神奈川県相模原市で感染経路の不明な患者が明らかとなったほか、18日には東京都杉並区の病院で入院患者の感染が判明し、翌日から外来診療を休診する措置がとられている。
「2月19日時点の厚生労働省発表によると国内での感染者数は59人で、死亡者は1人。武漢市からのチャーター便帰国者を含む場合には73人となり、これが公式の感染者数です。それに対して朝日新聞では《国内で確認された感染者》として、ダイヤモンド・プリンセス号の感染者数を含めた705人という数字を大々的に報じています。しかしWHOでは船内での感染者数をどの国や地域にも含まれない《OTHER》として取り扱っており、アメリカ政府なども同じ数字を採用。そういった世界の基準を無視して世間の不安をあおるのは、決して一部メディアだけではありません」(医療系ライター)
新型コロナウイルスが気になるのは誰でも一緒だが、とくに子供を育てる親は、我が子に感染が及ばないかに神経質になっている。そういった親心が過剰に出るあまり、かえって不安をまき散らす「恐怖心スプレッダー」になっているケースが珍しくないというのだ。
「新たな感染者が見つかった地域では、報道発表よりも早く噂が出回るもの。大きな病院では職員の数も膨大で、職員が家族や友人に感染者発生を伝えるのは致し方のないところでしょう。しかしこの手の噂はあっという間に拡散する。人づてに情報を聞いた親たちが《早くママ友に伝えなきゃ!》とばかりにLINEのグループなどで不確定の情報を広げてしまうのです。しかも最近は自治体や主要駅ごとに地元に密着したウェブメディアがあり、親のなかには《マスコミで拡散してもらわないと!》とばかり、未発表の情報をリークしてしまう例も確認されています。親たちは良かれと思って情報拡散しているのですが、不確定な情報をまき散らすのは結局、無用な恐怖心や疑心暗鬼をあおる結果になりかねません」(前出・医療系ライター)
どんな話題にせよ《ここだけの話》はすぐに広まってしまうもの。それは新型コロナウイルスに関しても例外ではないようだ。
(白根麻子)