東洋医学では、「ツボ(=経穴)への刺激が血行促進や全身のバランスを整えるのに役立つ」と考えられています。むくみや肌トラブルの改善、全身の血行や代謝を整える目的で、ツボ刺激マッサージを取り入れている人も多いのではないでしょうか。
一方で、顔のツボへの刺激が内臓や全身に影響を及ぼすことに不思議さも感じますよね。シーボン社が顔面部の経穴刺激を含むフェイシャルケアが心身へ及ぼす効果を検証し、2019年12月に「第23回 日本統合医療学会学術大会」において発表した「経穴への圧刺激を組み込んだフェイシャルケアによる心身への効果」によると、次の4つの効果が分かったそうです。
1.身体及び精神状態における、身体的疲労・精神的疲労・肩こり、さらに腹部不快感に対する改善傾向
2.気分状態における、混乱・活気・総合的気分指標に対する改善傾向
3.生理学的評価における、唾液中のオキシトシン(リラックスやポジティブな気持ちに関わる神経伝達物質)濃度の増加傾向
4.脳血流動態における、肌触り課題時では前頭前野左側で増加傾向が、創造的思考を必要とする認知課題時では前頭前野左側が優位に変化する傾向、また課題成績の向上
つまり、顔のツボ刺激には、顔自体へのマッサージ効果だけではなく、全身の疲労回復やリラックス効果、リフレッシュ効果があるということ。これはうれしいですね。全身のマッサージを行うには時間や労力が必要ですが、顔のマッサージだけならば短時間で手軽に行えますからね。
顔にはさまざまなツボがあると考えられていますから、肌を傷つけないようオイルやクリームで滑りをよくし、指の腹でポンポンと叩くように刺激したり、心地よい圧力でマッサージしたりして、日々の疲労回復やアンチエイジングに役立ててはいかがでしょうか。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)