口癖のように「逆に」を連発する人を、アナタの周りでも見かけないだろうか。
先日放送されたバラエティ番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)のなかでも、街角インタビューで「逆に」を連呼する青年が登場し、インタビューの本筋とは関係無いカタチで取り上げられ、ネット上でも大きな反響を呼んだ。
この「逆に」という言い方には、いったいどんな心理が働いているのだろうか。
「話し言葉で『逆に』を多用する人は、ズバリ“自分をもっと評価してほしい人”ですね」
そう指摘するのは、マナーアドバイザーだ。続けて話す。
「人は皆、自分が話す内容を相手に肯定されたいと思うもの。頭ごなしに否定されたとなれば誰でもおもしろくありません。
ところが『逆に』という言葉を使うと、『アナタが話していることもアリ』だと肯定しながら、『でも、他にもこんなのがあるよ』と新たな見解を示せるので、言われたほうは否定された実感をさほど感じないのです。
『逆に』と言ったほうも、相手を一度は肯定しているので、否定した実感が薄い。要は傷つきたくない、傷つけたくない現代人にとって、とても都合のいい言葉なのです」
確かに「それは違うんじゃない?」と言われるよりも「逆にこんな考え方もあるのでは?」と言われたほうがすんなり聞ける。
「『逆に』を使う人には、私はいろんな角度から物事を見ることができる“柔軟性”があることを無意識にアピールしています。つまり、自分をもっと評価してほしい気持ち=不満が多いタイプなのです。このような人に対してはグチを聞いてあげたり、軽くホメてあげたりすると喜びます」(前出・マナーアドバイザー)
人間関係を円滑に運ぶテクとして、覚えておきたいものだ。
(石井直秀)