緊急事態宣言の対象地域が全国に広まってから、初の週末となった4月18、19日、各地の公園や川沿いでは家族連れで散歩する姿も見られた。
「イオンモールが全142店を休業するなどショッピングモールも緊急事態宣言を受けて閉まっており、もはや週末に出かけられるところは公園くらいのもの。子どもたちは一学期当初から休校になっており、家族そろっての外出が束の間の息抜きになっていたようです。都内のある公園ではジョギングに励む人の姿も見られ、外出自粛の中でも認められている『適度な運動』をエンジョイしているようでした」(子育て中の女性誌ライター)
散歩する人たちは三密を避けながらマスク姿で予防しながら貴重な日光を浴びていた。だが家族で散歩を楽しむどころか、家でバトルを繰り広げている家庭も少なくないというのだ。
「いわば“新型コロナバトル”ですね。その主な原因は、子どもを外で遊ばせるかどうかで夫婦の意見が食い違うこと。子どもと接する時間の長い母親は子どものストレスを身近に感じており、せめて散歩をさせたり公園で友だちと遊ぶことがストレス解消になればと思っている。それに対して父親のほうは、通勤にしろテレワークにしろ、『俺だけは絶対に倒れられない』との危機感が強く、ウイルスを遠ざけるための外出自粛も徹底したい。日々の食事もネットスーパーや出前に頼ればいいとの考えで、生真面目な人ほど子供を外で遊ばせるなどもってのほかと考えがちなのです」(前出・女性誌ライター)
もちろん、家にいさせたい母親と外出させたい父親というケースもある。ただ前出のライターによると、外出自粛にこだわるのはやはり父親のほうが多いというのだ。続けて言う。
「仲の良いママ友同士で、週に1~2回子どもたちだけで公園で遊ばせることもありましたが、この週末は《ウチは今回、やめとくね》という家庭も多かったらしく、どうやら父親が子供を外出させるなと主張していたようです。これが夫婦で十分に話し合った結果なら問題はないのですが、公園問題でバトっている家庭も少なくないようです」
もっと深刻なのが、父親が単身赴任の場合だという。家族から離れて働き、新型コロナのせいで帰省もままならない父親としては、せめて家族だけは外出自粛を守って安全でいてほしいと願うのは無理もない。
「母親たちは休校が続くことで子供と四六時中向き合うことになり、代わってくれるべき父親もいない。その父親が子育てにまったく参画していないのに、遠くから《お前たちは家から出るな!》と命令してくるのですから、《そっちでお気楽にしているアンタに何が分かる!》と激昂してしまうのも致し方ありません。母親同士は外出自粛の中、SNSを通じて『子供たちだけで安全に遊ぶ方法』を模索しており、子育て事情に関しては父親より詳しいとの自負もあります。そのような子育てに関するミスマッチが、“新型コロナバトル”を生み出してしまっているのです」(前出・女性誌ライター)
新型コロナウイルスの収束と共に、新型コロナバトルも収束してもらいたいものだ。
(白根麻子)