「失恋して悲しくて悲しくて……。毎日泣いてばかりなんです」
確かに、失恋ほど人の心を揺さぶる出来事はそうそうないですよね。こうした大きな悲しい出来事があると、人はとてつもなく絶望的な気持ちになります。この心の状態を心理学的には【デッドゾーン】といい、3ヵ月程度は続くといわれています。そして、こうした状態のとき、実はたくさん泣くことが、立ち直るためには効果的なのです。
なぜなら、泣くことで心と身体の痛みが緩和されるから。涙にはエンドルフィンというホルモンが含まれているのですが、これがモルヒネ以上の沈静作用をもたらすといわれているのです。また、デッドゾーンの状態のとき、人は大きなストレスを感じていて、体内ではストレスホルモンが放出されています。涙は、このストレスホルモンを身体の外に排出もしてくれるのです。
泣くという行為により、人間の自律神経が交感神経から副交感神経へと切り替わるというメリットもあります。副交感神経が優位になると、解放されたようなリラックスした気持ちになり、ぐっすり眠れるという効果もあるのです。さらに、泣くことで免疫力がアップするともいわれており、泣くこと=元気になれる行為ともいえるのです。こうして泣くことの効果を考えてみますと、大失恋のときには泣けば泣くほど立ち直りが早そうですね。
では、いつ泣くのか。1人で自分の部屋にいるときなら、誰にも遠慮はいりませんよね。悲しい夜は存分に泣いてすっきりし、“穏やかで元気な私”を取り戻していきましょう。たくさん泣くことで、次の恋に進もうというポジティブな気持ちも生まれてくると思いますよ。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)