16年の「第15回このミステリーがすごい!」大賞で最終候補に残り、18年に北川景子、20年に白石麻衣(乃木坂46)の主演で映画化された「スマホを落としただけなのに」シリーズ。漫画化、朗読劇としても公開され、3月にはジャニーズ事務所のふぉ~ゆ~・辰巳雄大、浜中文一が出演して舞台化もされた(新型コロナウイルスの影響で東京公演は途中から中止、大阪公演は全休)。
原作は志駕晃氏。17年に宝島社より書籍化されると、発売2カ月で10万部を突破。北川の映画化決定でさらに増刷しベストセラーとなった。作家としては知名度ゼロだったが、もとより志駕氏は芸能界には幅広い人脈を持っていた。あの中居正広も心を開く相手だ。
「志駕晃はペンネームで、本名は勅使川原昭さん。ニッポン放送エンターテインメント開発局長で、元ラジオディレクター、プロデューサーのほか、漫画家、小説家と多くの顔を持つマルチな人間です。現在の肩書きは、ニッポン放送プロジェクト専務取締役。中居がSMAP時代、『中居正広のSome girl’ SMAP』のラジオパーソナリティーを始めた95年当時はディレクターでした」(芸能関係者)
中居より7歳年上。SMAP解散と同時にラジオは「中居正広 ON&ON AIR」に改題され、今も続いているが、勅使川さんは現場から離れている。年齢差を感じさせないフランクな性格で、中居からは「てっしー」と呼ばれている。
「SMAP時代はしょっちゅう一緒にゴルフに行っていました。相当仲が良かったのは、いつ誘っても快諾してくれたから。中居さんは『この人、いつ仕事してんだろう』と疑問を抱いていたそうです」(前出・芸能関係者)
80年代後半から業界にドップリ浸かっているため、伊集院光や山田邦子、ナインティナインやウッチャンナンチャンほか担当した番組は大物がズラリ。40代で管理職に就いたのを機に、かつての夢だった書く仕事をはじめ、48歳で執筆を開始。「スマホを落としただけなのに」の着想は、自分がスマホを落とした実体験だ。
“ラジオで出会っただけなのに”、中居とてっしーはオープンマインドの絆を築けたのだった。
(北村ともこ)