6月13日に肺腺がんで亡くなった女優の野際陽子さん。立教大学卒業後、58年にNHKにアナウンサーとして入局し62年に退社。フランス留学から帰国後の68年、TBSの名物プロデューサーの故・大山勝美氏から「芝居をやってみませんか」と声をかけられて女優に転身している。
野際さんが生前「57歳から忙しくなった」と言っていたように、その前年にあたる92年放送のドラマ「ずっとあなたが好きだった」(TBS系)で、息子を溺愛し嫁をいびりまくる姑役で大ブレイク。息子を演じた佐野史郎が名演した「冬彦さん」は、今もマザコン男の隠語として使われている。
「この25年間、野際さんは“姑といえば最初に思い浮かぶ女優”のトップを独走。美人で知的で意地悪な姑を演じさせたら右に出る者はいませんでしたからね。“意地悪な姑”はホームドラマに欠かせないキャラクターです。しかしそこに“美人で知的”というこれまでになかった設定をプラスして独自のポジションを築いた。そんな野際さんを、杉田かおるは『うらやましい』『自分も野際さんのように独自の姑キャラを作りたい』と10年ほど前から言い続けています。また『ずっとあなたが好きだった』でイビられる嫁を演じた賀来千香子もまた、野際さんをうらやましがっています。野際さん亡き後の“姑キャラ”を狙う女優が熾烈な戦いを見せることになると思いますよ」(キー局テレビ制作スタッフ)
ぜひとも野際さんには、後輩女優が演じる姑役に天国からダメ出しをしてほしい。