4月から早稲田大学の大学院人間科学研究科博士課程に進むのは、タレントのいとうまい子、御年51歳。
彼女は45歳で一念発起して、早大人間科学部(通信教育課程)に入学し、予防医学やロボット工学などを勉強。タレント活動と学業の両立は想像以上に大変だったが、負けん気の強さで乗り越えた。早大大学院では、高齢者に定期的に運動させ、ロコモティブシンドロームを予防するためのロボット製作に成功した。博士課程では、改良を加えたロボットのデータを取り、検証する作業に入る予定だ。
「いとうは名古屋出身。地元で有名なお嬢様学校に通っていた。中学で生徒会長を務めるほど人望があり、生物と科学が大好きなリケジョでした。成績優秀で大妻女子大に進学しましたが、タレント業と両立できずに一度も通学することなく中退した。それがずっと心残りで、いつか学び直したいと考えていたんです。闘病のかいなく、あっけなく父親が亡くなったことにショックを受け、他人の役に立ちたいという熱い思いを抱き続けてきました」(芸能ライター)
芸能界では、いとうのように学び直しをする者が少なくない。亜細亜大学を経て、二松学舎大学大学院文学研究科修士課程を修了した石田ひかり。4月には、エド・はるみが慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科に、さらに杉村太蔵が同大学大学院メディアデザイン研究科後期博士課程に進む。菊池桃子は戸板女子短期大学を卒業後、法政大学大学院で雇用問題を専攻し、修士号を取得した。現在は同短大の客員教授に就任している。菊池の学び直しは自分磨きからだったが、旺盛な学習意欲と真摯な態度が評価され、現在母校で労働分野の講義を担当している。スポーツ紙デスクが言う。
「エドや杉村は芸能人としてもう一花咲かせたい。新しい付加価値をつけ、再売り出しを狙っての進学です。それに対して、いとうはまるで欲がない。金に対する執着もなければ、地位や名誉に対する欲望もない。5歳年下のサラリーマンと結婚して7年目。芸能人を辞めても、夫の稼ぎで生活していけます。生来の凝り性と学び直しを応援してくれた夫への感謝の気持ちがやる気を支えています」
研究の成果をうまく実用化できれば大化けするかもしれない。
(塩勢知央)