11月30日にスタートした朝ドラ「おちょやん」(NHK)。明治の末、大阪の南河内の貧しい家に生まれた主人公が、「大阪のお母さん」と呼ばれるほど絶大な人気を誇る名喜劇女優として成長していく姿を描いたストーリーだ。
主人公・千代を演じる杉咲花のほか、芝居茶屋「岡安」の女将・岡田シズ役に篠原涼子、上方演劇界のドン・鶴蔵には歌舞伎役者の中村鴈治郎など脇を固めるキャスト陣も豪華な顔触れ。なかでも注目を集めているのが千代の父・竹井テルヲを演じるミュージシャンのトータス松本だ。
「トータスが演じるのは、見えっ張りだが気が弱く酒とバクチ好きの父親。養鶏で生計を立てるも、鶏の世話は千代に任せきりというダメ父。まくし立てる大阪弁が面白いと評判を呼んでいます」(芸能ライター)
初回には「酒あれへんのか、酒」と空の一升瓶を振り回し、千代に「親やったら親らしいことさらせ!」と喝を入れられるシーンが。
この役について、トータスは「テルヲは、ひどいお父さんですよ(笑)」「最初に言われたのは、『おしん』の伊東四朗さんが演じた作造さんのような、西の作造さんになってくれませんか、だったんですよ」と語っている。
「1983年に放送された朝ドラ『おしん』(NHK)で伊東が演じた作造は、貧しい暮らし向きから幼いおしんを奉公に出す父親。頑固一徹ながら、奉公に行くおしんを吹雪の中、涙ながらに見送るシーンは視聴者の涙を誘いました」(テレビ誌記者)
トータスは、テルヲはそんな作造とは比較にならないくらいの「ダメ父」であるとコメントしている。この先も、振り切った演技を期待したい。
(窪田史朗)