人の第一印象は出会って数秒で決まりますが、その決定要因のほとんどは外見です。そして、第一印象で好かれたら好かれたまま、逆に好かれなかったら好かれないままという可能性が高いのです。この心理説は数年前によくメディアで取り上げられましたので、知っている人も多いことと思います。
この説は心理学のスタンダードですが、実は「どんなに性格がよくても結局のところ美人にはかなわないのね」という悲しい説でもあります。そこで、この説をもう少し詳しくみていきましょう。
ファッションやメイク、言葉遣いなど、さまざまな要因によってトータルで作られた外見イメージを、見た人は瞬時に受け止めます。中でも、対人魅力に影響のあるものとして、いちばん研究されてきたのが身体的魅力です。
例えば、社会心理学者のE.ウォルスターらは、ダンスパーティーという名目で面識のない男女を集めて実験。相手がどうであると魅力を感じ、デートに誘いたくなるかを調べました。すると、実験に参加した男女ともに、ダンスのパートナーに選ぶかどうかや、デートに誘うかに影響を与えたのは身体的魅力であり、頭のよさや人柄などは影響を及ぼしませんでした。
その理由として、ウォルターらは次の3つのことを考えました。
■身体的魅力の高い人は他にもよい特性を持っているだろうという固定観念が働く
■身体的魅力の高い人と一緒にいることで、自分も周囲から好意的に評価されるだろうと思う
■身体的魅力の高い人といることが耽美的な満足をもたらす
なお、他のさまざまな実験から、女性より男性のほうが身体的魅力を重視する傾向にあることが分かっています。つまり、男性よりも女性のほうが、見た目がいいほうがモテるということです。
もともとの身体的な特徴は、変えられない部分もありますよね。例えば、背丈などの骨格は変えられません。しかし、体型はある程度変えることができますし、メイクやファッションでかなり外見を整えることができます。やはり、モテたいなら、ある程度は外見を整える必要がありそうです。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)