俳優の菅田将暉が来年1月スタートの月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」の主演を務めることを、フジテレビが6月3日に発表した。菅田はフジテレビの連続ドラマ初主演にして月9初主演となる。
今作は漫画家・田村由美による同名漫画の実写化作品。天然パーマがトレードマークの主人公・久能整(くのうととのう)が淡々と自身の見解を述べるだけで事件の謎や人の心までも解きほぐしていく新感覚ミステリー。原作は現在8巻まで刊行されており、累計発行部数800万部を突破している。
公開された写真で菅田は巨大なアフロヘア姿で、原作に限りなく近づけたイメージ。アフロヘアは地毛を伸ばして作り上げたもので、その本気度がうかがえる。
菅田は「原作を読んだ時、衝撃でした。とにかく話が面白い。会話劇。文化、価値観、哲学。人間、人間、人間。日々見落としがちな寂しさを優しくすくい取っていく彼の生き様に一瞬で魅了されました。同じ魚座のA型、uの音で終わる名前(菅田の本名は菅生大将)という類似点もあり、勝手ながら運命を感じながら、一つ一つ丁寧に演じさせて頂きました」とコメント。一方で、「しかし、難役でした。彼の髪型のように僕の脳みそが爆発する毎日でした。ですが彼の思考は、きっと今この世界を豊かにしてくれると信じています」と明かした。
しかし、ネットではドラマ化を喜ぶ声だけでなく《なんか違う。儚さがない》《整くんではない。菅田将暉は好きだけど》《コレジャナイ感》など違和感をこぼす人も続出している。
「人気漫画を映像化すると否定的な声があがるのは避けられないことで、それを覆せなかった例もあります。今回と同じ月9ドラマで13年に放送された『ビブリア古書堂の事件手帖』では主演を務めた剛力彩芽と原作小説のビジュアルイメージが違うこと、当時の月9の最低視聴率を更新してしまったことなどから、原作の魅力がドラマで損なわれてしまったと批判を受けました。また08年に放送された蒼井優主演の『おせん』(日本テレビ系)も原作漫画のビジュアルイメージが大幅に改変されており、原作者は連載を中断してしまうほどのショックを受け、最終的にドラマのクレジットは『原作』表記から『原案』に変わってしまいました」(芸能記者)
幸い、今回は原作者の田村由美も「こんな幸せなことがあっていいんだろうか。自分にとって初めての実写ドラマ化、それがなんとフジテレビさんの月9、そしてその主演がなんと菅田将暉さん! 整役が菅田将暉さんです! 何度も声を大にして言いたい。感激です」と、菅田が主人公を演じることの喜びをコメントしている。
あとは“カメレオン俳優”とも称される菅田の演技力でファンの違和感を跳ね返してほしいところだ。
(柏原廉)