いつの時代も“世の女性”の声を代弁するタレントの存在は重宝されるが、2021年もまた、そんな女性芸能人による椅子取りゲームは白熱の様相を呈していた。
年始から7月までの上半期では、昨年に続き2人の20代女性が他を圧倒するダントツの存在感を放った。
モデルでタレントの“みちょぱ”こと池田美優は272回ものテレビ出演回数(M Date調べ)を誇り、お笑いタレントの有吉弘行やロンドンブーツ1号2号・田村淳といった大物芸人らとの相性のよさを見せつけることで、バラエティ番組を席巻した。情報番組コメンテーターや、トーク番組、ロケでもその才能は光り、23歳にして落ち着きのある風格を漂わせているのも特徴だろう。3月にはメンズモデルの大倉士門との同棲熱愛報道が出るも、女性からの支持が多いモデルという仕事柄、大きなダメージはなく、潔く熱愛を認めた“男前対応”に好感を抱いたとする声が集まっていた。
みちょぱと同じく、2020年から引き続き、テレビ番組で引っ張りだことなったのは、ユーチューバーのフワちゃんである。もともとはYouTubeという畑で活動していた“お笑い系ユーチューバー”だったが、その特異すぎるキャラクターを生かして、2019年頃よりブレイク。2020年には新語・流行語大賞のトップテンに「フワちゃん」が入賞する快挙を達成すると、あれよあれよと様々な人気芸人との軽快なコンビネーションで話題を集め、2021年の上半期も300回以上の出演回数を誇った。
日本テレビでは「行列のできる相談所」や「世界一受けたい授業」「ゼロイチ」「ヒルナンデス!」、TBSに「アイ・アム・冒険少年」「炎の体育会TV」「アッコにおまかせ!」などのレギュラー、準レギュラーを抱え、大御所タレントと絡む機会も多い。とりわけ、大御所の和田アキ子を「アッコ」と呼ぶ度胸にも賛否が集まっているが、裏ではその礼儀正しさを暴露されることも多く、芸能界を生き抜くためのツボを押さえているとも言えるだろう。
フワちゃんもみちょぱもコロナ禍以前から人気者の座に君臨しているが、2021年になってその株価を急上昇させているタレントもいる。NMB48の渋谷凪咲は、バラエティ界に現れた新星の1人として、その筆頭候補と言えるかもしれない。
「渋谷が誇る最大の武器は、常に笑顔で振る舞い、時に放たれる天然発言で誰も傷つけない笑いを提供するところでしょう。お笑い芸人に対する強い尊敬の思いから、自身も日常で思い付いたトークの材料などをネタ帳にメモする勉強熱心な一面もあり、かまいたちやダイアンといった今が旬の芸人に可愛がられていることも大きなメリットと言えます。
また、渋谷本人も現在のブレイクぶりを実感しているのか、7月18日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、その多忙ぶりについて、MCの東野幸治から『NMB48の最後の希望みたいな感じ』と称えられ、満面の笑みで『はい、もう今は一本柱で』と自画自賛。しかし、不思議と嫌味な雰囲気は感じられず、世間からも『この子はアホそうな喋り方してるけど的確』『ユーモアもあるし、頭良くて凄く考えてると思う』などの声が寄せられていました」(テレビ誌ライター)
過去には、「(牛を英語で言うと)ギュー」「(電気はどうやって作る?)太洋こう発電」「(アメリカの首都は)ユナイテッド・アローズ」「(チーズは何からできている?)羊の血」などといった珍回答でお茶の間を沸かせてきた渋谷。その独特すぎる世界観と柔和な癒し系キャラで、2022年も引き続き、「NMB48の一本柱」として駆け抜けてほしいところだ。
(木村慎吾)