誰もが知っているシェークスピアの『ロミオとジュリエット』。心理学には、あのお話のロミオとジュリエットのように、障害がある恋は燃え上がる「ロミオとジュリエット効果」というものがあります。では、恋愛を燃え上がらせるためには、どんどん障害を作ればよいのでしょうか?
■ロミオとジュリエット効果とは?
多くの人がご存じだとは思いますが、ロミオとジュリエットは対立した2つの家庭に生まれました。2人はあるパーティーで出会い、すぐに恋に落ちます。ですが、恋を成就させることが難しいと考えた2人は一緒に自害しようと計画を立てます。
悲しいですが、許されない恋のお話を聞くと、なんとなくロマンティックに感じて心を惹かれてしまうのも事実ですよね。このように、2人の恋愛の間に障害があって恋が盛り上がることを、ロミオとジュリエット効果といいます。
■障害はたくさんあればよい?
では、相手に好きになってもらうためには、障害をたくさん用意すればよいのでしょうか? 事はそんなに簡単にはいきません。
一般的な恋では、障害が多過ぎればどちらかが諦めてしまうのが普通です。明らかに高嶺の花の相手に、アプローチをし続けてくれる人も少ないでしょう。障害を作り過ぎてしまうと、恋愛が始まる前に終わってしまう可能性すらあるのです。
■どのくらいの障害がちょうどよい?
現代の社会人にとっては、「会いたいけれど仕事でなかなか会えない」「遠距離で毎週末はデートができない」「忙し過ぎて連絡できない日がある」などというのが現実でしょう。これくらいの障害なら、乗り越えてみようというやる気を起こさせるはずです。ですが、親から猛烈に反対されて「結婚するなら縁を切る」とまで言われてしまったら……なかなか結婚には踏み出せないでしょう。
ロミオとジュリエット効果は、確かに恋愛をプラスに働かせることが期待できます。とはいえ、わざと障害を作るのは意外と難しいもの。障害は大き過ぎても小さ過ぎても意味がなくなってしまうので、使うときには慎重に考えてみてくださいね。
大山奏(おおやまかなで) 大学で心理学を専攻し心理カウンセリングを学ぶ。心理学を恋愛やライフスタイルに応用して楽しむ方法をいつも考えている。アロマテラピスト、カラーセラピスト、整体師でもある。多くの媒体で恋愛コラム、ハウツーを執筆中。